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[高次脳機能障害] 作話:謎の生物ピグミーがヤギに進化

40日目【高次脳:作話:ヤギのはなし】

2009-04-17 19:28:03

リハビリセンターへの転院の道が断たれた私の落胆とは裏腹に父の作話は、謎の生物ピグミーからヤギに変わった。架空動物ではなくなったのだから進化しているのだが、ヤギなど飼ってはいない。しかし、私にヤギの世話を頼むのだ。餌はやったか?など話しかけてくるのは、ヤギのことばかり。父に合わせて、うん餌あげてきてから来たよ~。と答えてはいたけれど、リハセンに入院できない一縷の望みも絶たれた私には父の言動は悲しく響いた。

なぜなら、もう精神病院に行くしかないのだから。
朝元気に出かけた父が変わり果てた姿で横たわってから、まだ1ヶ月半弱。もう諦めなくてはならないのか?受傷後3ヶ月は切れた軸索に戻る力があるというのに。回復の見込みはない人は精神病院へ行って下さいか…なんともむごい話だ。交通事故だけでもショックなうえに、もう治らない?精神障害者です?体は回復してきているのに。脳のリハビリはしてもらえない?全てを諦めるには時期が早すぎる。

患者を支える家族の気持ちはおざなりなのだろうか…。
高次脳機能障害の書籍はめちゃくちゃAmazonでポチってとりよせた。その中に医師向けのマニュアルがあった。家族の心境を鑑みて受傷後○日の説明、受傷後○日の通告など段階が記されていた。それが頭にあったため何を言われても、ああ、マニュアルどおりかと思うようになっていた。