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苦難の中にあってこそ楽天的であること

私は、どんな苦難がやってきても楽天的、楽観的でいようと数年前から心に決め(2回そうした決断をしたことがありました)たのですが、一体どうしてそんな風に心に決めたのかを今回は書いてみたいなと思っています。
堅めの内容か~~??今回も笑


「かろやかキャリアLive」の対話の中で

突然ですが、実は私、仲間4人と一緒に、「かろやかキャリアLive」というYouTubeliveチャンネルを運営しています。
毎週土曜日の朝、8時15分から生放送でキャリアに関する話題やゲストをお招きして対話をお送りする番組です。
キャリアというと広義ではライフキャリアと言いまして、まさに人生そのものという意味になりますので、扱う範囲も広いのですが、MCだけの時も、ゲストをお招きした時も意識しているのは「人生観」や「価値観」やその人の「思い」「考え方」などが浮き彫りになるような対話を深めることなんです。
関心のある方は、アーカイブも残していますので是非観てみて下さい^^

で、なんでこの話かと言いますとですね、ちょうど先週(1月20日)のliveのテーマの話なんですけれど「読書と私のライフキャリア」となってまして、それぞれMC4人が、私はこの本に影響を受けましたという1冊を紹介し合ったんですよね。

メンバーが挙げてくれた本は、
「壬生義士伝」(浅田次郎著)
「愛、深き淵より」(星野富弘著)
「習慣を変えれば人生が変わる」(マーク・レクラウ著)
でした。いずれもいい本。なぜそれを選んだのかも短い時間の中でお互い率直に語り合って、それぞれ深堀り出来たかなと。
その中で、私が今回選ばせて頂いたのが、「エンデュアランス号漂流」だったんですね。(多分ほとんどの方知らないと思います笑)

エンヂュアランス号漂流(新潮文庫)

非常に簡単に書きますと、南極探検隊の隊長であったシャクルトンという探険家の物語なんです。関連本、映画などもあったりします。実話です。しかしおそらくこのブログの読者の皆様は南極探検というと、ご存じなのはアムンゼンやスコットだと思うんです。人類史上初めて南極点に到達したのがアムンゼンですよね。
シャクルトン?誰それ?くらいな認識じゃないでしょうか。
この人は実は2回挑戦して南極点にはたどり着いていないんです。それどころか南極周辺の海で遭難し、2年間も海の上(氷の上)を漂流したんです。しかし乗組員全員28名誰一人欠けることなく生還させた。
その彼を史上最強のリーダーだと書いている人もあるくらいの人物なんですよね。

世界中のビジネススクールのリーダーシップの講義などで実はこのシャクルトンの遭難(漂流)の話が扱われるんです。私が学んだグロービス経営大学院においてもリーダーシップの授業においてケースの1つとして出てきました。その参考図書として新潮文庫の上に挙げた本が紹介されていまして、当時もじっくり読んでかなり感銘を受けたのを覚えています。


ほんとかいつまんでご紹介すると・・。
南極点を目指していたシャクルトン隊ですが、例年とは違う氷の流れによって不運にも海の上で氷に囲まれて周りを閉ざされ、身動きが取れなくなってしまいます。
冬から春に入り、氷が溶けて動き出せると考えていたところ、海水が船にしみこんできて、観測船を失います(沈没)。その後は氷上でキャンプをしながらタイミングを待ち、何とか陸上に。そのエレファント島は人が住めない土地であって、一般の航路からも外れていたため、そこから720海里も離れたサウスジョージア島の捕鯨基地まで救援を求めにいくことになります。
救命ボートでですよ。。。
5名を選抜し、22名は島に残してその長い航海によりサウスジョージア島にたどり着き(この途中にも何度も命の危険がありました)、なんとチリと交渉して船を借り、救出に向かったんです。
そして最後は22名全員を助けて誰一人欠けることなく帰還したと。
この彼の行動やリーダーシップが史上最強のリーダーとまで言われて今も多くのビジネスパーソンへの教材として世界中で使われているんです。
興味ある方は是非読んで欲しいなと思います。
こちらのリンク(どうぞクリック)は写真付きで解説してあって、とても分かりやすいし、彼らの探険がイメージしやすいかもしれないです。


私が感じるシャクルトンの最も偉大なところ

シャクルトンの人柄、冒険の時(有事の時)だけではなくて平時でも魅力が沢山あることが本を読むと分かりますし、この危機において発揮したリーダーシップの何が偉大なのかは色んな観点で見ることができるとは思います。ただ、グロービスでのケース教材、またこの新潮文庫、その他関連本なども読んでみて、私が最も感じるシャクルトンの偉大さはどこかというとですね・・・。

一言で言って、「明るい」んです。
漂流し始めた時から、氷の上でのキャンプ、その後の船の沈没、救命ボート1つで捕鯨基地まで戻る過程、とにかくもう困難の連続の中で、誰もがもうダメだと諦めてしまうような状況。
しかしシャクルトンは、常にメンバーに声をかけて、必ず何とかなるという明るさを決して忘れない・・・。リーダーとしてのスタンスが楽観主義で貫かれているんですよね。


アーネスト・シャクルトン(Wikipediaより)

やはり普通、苦難にぶちあたったらリーダーと言えどもどうしても悲壮感を漂わせたり、悲観的な空気をにじませたり、もうだめだと口にしたり、ってことって出てきてしまうと思うんです。
ただシャクルトンは絶望の淵にあっても、おそらく同じように絶望している部下の前では必ず助かるはずだ、必ず迎えに来ると、いい結果を信じて、実際に楽観的に考えたであろうし、そのように常に振る舞っているなと。

実は大学院の時のリーダーシップの授業では、シャクルトンのほかに、南アフリカのマンデラ大統領や、松下幸之助、西郷隆盛など歴史上の人物のリーダーシップが取り上げられ、関連本を読みディスカッションしたのですけれど、マンデラさんなら何十年もの監獄の中にあっても、いつかは必ずという思いを持ち続けて、どこか底なしの明るさがあったし、松下幸之助さんも、家族の不幸やもうここには書ききれない程の苦難があったのに、なぜか腹底に明るさが見える。

あ~これだなと。私が目指したいリーダーとしての理想的な姿は能力が高いことでもなければ、どんなことを成しえたかというよりも、苦難の中にあっても如何に楽天的に物事をとらえて、必ずできると信じて、しっかり一歩一歩進むことなんじゃないかなと思ったんです。

コロナ禍の中にあって気づいたこと

2020年からコロナ禍にあって、介護事業を運営している私としては正直初期のころは相当参りました。未知のウイルスであり、それこそ最初に私の地元で陽性となってしまった人はその街に住んでおれず、引っ越したりしていた人もあるくらいです(今となっては本当に社会全体がどうにかしていたとは思います)。

割と早い時期に、うちの老人ホームの職員でもパートの人で1名陽性者が出ました。実は近隣の他法人の施設でちょうどその数週間前に50名以上の陽性者が出て、なんとその多くが亡くなってしまっており、施設側の対応がどうだったのかと問題にされていた時期でした。
うちのホームで1名の陽性者が出てその後の2週間は何とかそこから広げないようにと必死になって一致団結して対応しました。
ここ最近は、かなりウイルスも広まって弱毒化しているのか陽性者が出ても、そこまで問題になりませんが、とにかく初期のころは1名出ただけで近くの法人から責め立てられるような電話をもらったり、風評被害にまで気を張らねばならない状況でした。

結局その時は広がらず、対応がよかったということで他の法人にもどのように対応したかなど共有したり、話をしに行ったりもしました。
何とか対応したという達成感もあり、不思議と心身共に元気でした・・。

しかし次の年にはどんどん広がりました。うちだけじゃなく。
陽性者が出れば、濃厚接触者の確認を行い、限られた人数でシフトを回す、状況は千差万別なのでなかなか現場で判断できず(基準を決めてもなかなか難しい)、私のところまで話が上がってきて毎日毎日コロナ対応。
コロナが出れば特にデイサービスは営業停止。
その分売上も減る。
老人ホームの出入りができないから新規入居の方も完全ストップ。
何ひとついいことがなく、1つ1つを何とか食い止めなければと根詰めて動いていたので、毎日胃が痛いし、肋間神経痛も激しいし笑、情けないことに相当参ってましたね。いつ終わるんだろうと。(まあ今でもですが)
なるべく外に出さないようにしていましたが、自分の心の内では悲壮感しかなかったです。本当に追い込まれました。

ただその時にたまたまですが、このシャクルトンの本を手に取って、あの苦難の中で、最後までやり抜けたのは、とにかく何とかなる、と思って苦しみを受け止めていた彼の「楽天主義」だったんだよな、と改めて気づくことができたんです。

行くところまで行くと、もう~なるようにしかならないなと。
目の前に起きている事実は冷静にしっかり受け止めつつ、そこからどうやって道を切り開くかと「思い換える」時には笑って、楽観的に、必ずできると、いつまでもこの状態は続かないんだと思って対応しよう、と変化できたんですよね。
やはりリーダーにとってはどんなに苦難があっても、必ずできると信じることが大事。解決に時間がかかっても、少しずつ進めばいいし、楽観的に生きよう、そんな風に心に決めました。
コロナ禍にあって、こんな風に自分で心に決めたのは本当に大きかったです。


これからも・・・

令和6年、私はこんな一年にしたいという思いを漢字一字で表してみようというワークを、仲間とも、会社でもやりました。漢字一字を選んでお互い今年の抱負を語ります。どうしてその一字にしたのかと。

私が選んだ一字は何かといいますと・・・・これです^^

「楽」です。
なぜこれを選んだか。あらゆる困難なことにぶち当たったとしても「楽観主義」で対応したい。何とかなるさ。楽に構えて。このスタンスを今年一年も、いやそれ以降も大事にしていきたいと思ったのです。大事ですよね。
楽観主義、楽天主義の「楽」。私の今年のテーマです^^

長くなってしまいました。
4000字を超えました笑
ここまでお付き合い頂いて有難うございました。週1回の更新、何とか4回目も達成できました☆

それではまた次回!!!



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