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【3.7万字超え】40代からの脱サラ起業の手引き書 リアルな失敗から分かること

割引あり

これから起業してみたいなぁと思っている人、起業したいけど自分にできるのかなぁと躊躇している人に対して、この記事が起業に踏み出すトリガーとなってもらえるように、また起業するための一つの参考書となっていただけるように、以下の順序で一つずつ丁寧にご紹介させていただきたいと思います。尚、私自身が43歳で起業しましたので、同じ年齢ぐらいの方でサラリーマンをしていて、起業を考えている方に対しては特に共感できる部分があるかと思います。また、当社は個人事業主ではなく法人として起業しておりますので、法人設立を考えている方にはさらに役立つ情報となっております。ただ、これを言ったら元も子もないのですが、起業準備~起業後の流れは事業内容やその人の持っているバックグラウンドによっても大きく違ってくると思います。あくまでもごくごくごく平凡なサラリーマンが起業して軌道に乗るまでの方法や注意点を赤裸々に綴った記事となっておりますので、これが全てという視点ではなく一つの考え方として最後まで付き合いいただければと思います!!m_ _m

1. 導入(起業への踏み切り方、マインド醸成)

2. 準備編(事業内容、目的、資金)

3. 起業手続き編

4. 融資申しみ編

5. 実運用編


簡単な自己紹介・経歴

2002年に大卒後、IT/情報通信メーカーにSEとして入社するが、2年で挫折して無職となる。その後自動車部品メーカーで人事としてのキャリアを歩み始め、その後金融、エンタメの会社を経てITスタートアップの人事部長を歴任後、2023年10月に営業コンサル、DXコンサル、人事コンサル事業を主軸としたエプロン合同会社を43歳で起業。パートナーは同い年のトップセールスマンで、9年来の友人。家族は妻と息子(13歳)、娘(7歳)がおり、日々子育てと仕事に追われる。趣味はサウナ、漫画、麻雀、ギター。

‐‐経歴‐‐
IT/情報通信メーカー   SE
自動車部品メーカー   人事
ネットバンク      人事(Manager)
大手エンタメメーカー  人事(HRBP)
スタートアップ     人事(Director)

1.導入

いつかは独立して自分でお金を稼ぐようになりたい
誰からも指図を受けず自分の意思で働き収入を得たい

と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
現在多様な働き方、多様な生き方が社会的に浸透してきた中で、従来の会社に属して収入を得るという考え方自体が凝り固まっていると考えられるようになってきました。さらに考えを飛躍すると幼少期から勉学に励み、偏差値の高い大学に入学し、有名な大手企業に入社することが、人生の一つのGOALと考えること自体が時代の波にそぐわなくなってきているかもしれません。

実際新卒で入社する会社で人生が決まることは少なく、複数の会社を経験して自身の市場価値を高めていくことがマジョリティとなりつつあります。これは毎日転職支援会社のTVCMが横行していることが、その裏付けと言えると思います。

また、大手企業に入社をしなくてもベンチャーやスタートアップで能力を発揮して、20代で役員ポジションや、破格の年収を得ている人も少なくありません。外資系起業による進出も大きなファクターではありますが、これらのベンチャー、スタートアップの台頭に危機感を感じている大手企業が、新卒社員の初任給を20万後半~30万代に設定し始めている現状があります。

実は私自身も大手企業に入社することをGOALに考えてきた人間ですが、実際入社したところで幸福な人生が待っていたかというと、全くそんなことはありませんでした。大卒後IT/情報通信大手メーカーに入社したものの、2年で早々に退社し人事という何ともパッとしない職種で、もがき苦しみ、なんとかサラリーマンとして計5社で21年間を渡り歩いて来た者です。
一時は仕事に忙殺され休職寸前まで心身を追いやられて、仕事が手につかなくなることもありました。職場の人間関係に疲れ果て、体調も悪くないのに休んだことも多々あります。。。

申し上げたいことは
私は何かに特出したスキルやバックグラウンドがあるわけではなく、どちらかと言えば打たれ弱く、くよくよ細かいことを気にして考え込んでしまう、至って普通の人間であるということです。これを読んでいただいている皆さんの中にも、職種や通ってきた会社が違えど、私と同じような方が多いのではないでしょうか。

重要なのはそんな私でも40代で会社を起業し、なんとか収入を得て、妻と2人の子供を養うことができるようになっているという事実です。社会人になった時は全く起業なんてあり得ない、自分とは無縁の世界だと思っていました。そもそも自分に自信がなく、サラリーマン時代の前半は会社の中でもローパフォーマーの部類であったと自覚しています。

ではそんな私がなぜ起業することができたかということについて、これから起業を考えている、若しくは起業に興味があるという方に少しでも参考になれればと思い手引き書を作成しました。
本手引き書は、かなり詳細な内容まで突っ込んで記載していますので、この記事を見れば起業に必要なアクションはある程度網羅できていると思います(随時更新もします)。

また、本記事の前段では起業に踏み切った時にどのような思考であったか、何がきっかけで起業に踏み切ったかについて詳細を記載しています。後段では実際に起業に必要なアクションを一つ一つ丁寧にご紹介、ご説明していきます。実際の失敗談・体験談から「次回同じ事をするのであればこうする」というような生きた内容を盛り込んでいますのでお役に立てるのではないかと思います。但し、●●様な事業を●●の様にした方がいいです、という事業コンサルチックな内容ではありませんので、予めご了承くださいm_ _m

これをご覧いただいるビジネスマンの方が一人でも多く、起業に踏み切り、悶々とした生活から抜け出してくれたら、これに勝る幸せはないと考えております。
また、【40代からの】と題名で謳っていますが、20代、30代の方でも起業に向けての道筋を照らす一助となっていると思いますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

起業に踏み切ったトリガーは何か(思考・状況・環境)

起業しよう!と大きな一歩を踏み出したきっかけは、正直色々な要素が複雑に絡み合ってるというのが回答になるのですが、あえてポイントを列挙すると以下の点が挙げられます。

1.  1回しかない人生を後悔なくやりきりたいという想い
2.  会社の価値観が絶対、という日本企業カルチャーに対する違和感
3.  信頼できるパートナーとの出会い
4.  起業している人と一緒に仕事をした経験、会話できたこと
5.  スタートアップを経験して、高度な経営知識が必要でないと感じたこと
6. 自分が65歳以降(2045年頃)になった時の年金受給の見通しずらさ
7. 副業・フリーランスの一般化による、仕事の取りやすさ

上記をもう少し因数分解すると
1~2はどちらかというと私の仕事観・人生観
3~5は仕事を通じて得られた経験
6~7は時代の環境変化
と大別できると思います。

上記のようなものが合わさって起業に踏み切ることができたわけですが、
中でも大きいのは1~4が最も自分の背中を後押ししたと感じています。
(もちろんご家族をお持ちの方は、配偶者の同意は必ず必要ではありますが、私はそれがトリガーにならなかったのでココでは列挙していません)

30代中盤ぐらいまではサラリーマンとして如何に大成して上の役職に行けるかに焦点が当たっていたわけですが、徐々にに上記2(会社の価値観が絶対という日本企業カルチャーに対する違和感)の考えが要所要所で湧いてくるようになりました。

皆さんも往々にして経験があると思いますが、
自分の考えや行動が正しいのは明白ではあるのに、上司や会社の方針という一方的な理由で、否応なしに納得しなければいけないアレです(笑)。

これは人それぞれなのであくまでも私の私見とはなりますが、サラリーマンはそれと引き換えに安定的な収入を得られる仕事とも捉えることができます。
ただそれを定年である
65歳まで後25年以上し続けるのか、
死ぬ間際に後悔なく人生を生き抜いたと言えるのか、

という問いに対して、それは「NO」であると自分の中で結論が出ました。

ただ、じゃぁどうすればいいのか、となった時に具体的に次のアクションプランがあるわけではありませんでした。

むしろ
どうすればいいのかわからない、
とネガティブは気持ちになることが多かった
と思います。

ただ昔から一貫して自分の市場価値を高めるという行動はとるようにしていました。具体的には人事という職種で必要なスキルマップを隙間なく埋めていくために、自分から仕事を取りに行く。もし今の会社にない、若しくはできないのであれば、できる会社に転職するという行動です。

これについてはスキルの積上げと言うより、そのようなマインドを持っていたこと、会社を変えてきたこと、新しい出会いを求めてきたことが、起業というきっかけに大きく作用したと感じています。

起業している人と一緒に仕事をした経験、会話できたこと

そんな悶々として働いていた40歳の時、新しい合弁会社を0→1で立ち上げるプロジェクトに呼ばれ、私がバックオフィスの責任者として参画することになりました。その際、その合弁会社の代表になる方(Mさん)と仕事をすることになりました。Mさんは私より3つ年下で既に自分の会社を持っており、副社長として事業も軌道に乗せ、年収も一部上場企業の社長にも遜色しない金額をもらっているような方でした。Mさんとの日々の会話はいつも刺激的で、もちろん厳しい部分はある一方で、
チャレンジすることが絶対的に善であるという強烈なインパクトと
会社設立に対する想いの強さ
で周りを圧倒していくような方でした。私もそれにつられて思った事はどんどん意見し、互いにアサーティブな意見交換による相乗効果で一気に立ち上ることに成功しました。

私はココで初めて「会社を設立する」、「設立に向けての思考法」について実践を通して根幹を掴めたと思っています。

これまでの説明だと何らかの方法で一回会社設立を経験した方が良いと聞こえてしまうかもしれませんが、そう言うわけではなく、
会社を立ち上げて成功した人の話しを聞く
できれば意見交換をする
という行為自体がかなり具体的にイメージを持たせてくれるということです。

自分が思っているよりも実は単純であったり、最初はミニマムスタートで徐々に形にしていく考え方であったりと、従来まで持っていた起業に対する思い込み(高いバー)を解消する一因となるということです。

Mさんとの会話で一番印象的な言葉は
「チャレンジしない、しようとしない人が圧倒的に多いおかげで、僕らみたいな人間が助かる」という発言でした。

「僕らって・・・、Mさんみたいのがいっぱいいるのかよ・・・」

と正直思いました(笑)。

言葉の意図としては、チャレンジして起業する人が少ない分、Mさんみたいな人が、あまり競合することなく戦える、失敗しても再度やり直せるという意味です。ただ、これは言葉にはしていませんでしたが、「リスクはあるのは百も承知だけど、やはり挑戦しないことには何も始まらない、挑戦すれば意外とやれてしまうもんだよ」というメッセージが隠れていると私は受け取りました。


その後IPOを目指すDXプロダクトを強みとするスタートアップに転職しました。目的はさらに全てが見通せる小さな会社の経営を見ることで、起業についての解像度をあげるためです。ボードメンバーと直にコミュニケーションを取れる、取らなければいけないポジションだったため、人事として経営についても大き関わりました。


そこで感じたのは、意外と自分が思っているより難しい知識が必要でもないし、結構数字コントロールや会社の組織運営は役員の一存でいい加減だったことです(IPO前のスタートアップはそういうものかもしれませんが)。

ある程度社会人経験があり、常識を持っていれば決断できる事が多いですし、経営陣だからといって社員を惹きつける絶大な魅力があると言われると、そういううわけではありませんでした。むしろ会社の組織作りやガバナンス、社員管理という面では自分の見解の方が採用されることが多かったんです。

これは私だからというわけではなく、これを読んでいただいている中高年の方は、自信を持っていただきたいと思います。若手の起業家(ボードメンバー)は確かに勢いや推進力、プロダクトに特化した力はありますが、一方で
マネジメントや組織構築という点では、我々のように長年培ってきた経験の方がモノをいうことが往々にしてあるということです。
サラリーマンとしてのキャリアはここで最後になるのですが、ココで起業に向けた最後のピースがはまったような感触をうけました。

これまで上記1、2、4のについて記載させていただきましたが、最後に3(信頼できるパートナーとの出会い)についてご紹介させていただければと思います。

最初に結論を申し上げると、
起業することは一人でもできるとは思いますが、法人で起業を考えている方は、できれば二人以上で始められるのをお勧めいたします。
(私は自分含めて2人で起業)

法人としてフロントからバックまで一人で見るということは非常に大変で(特に創業期は)、毎月売上を気にしながら税金や給与、規定など会社のガバナンス(法律対応)までしなければいけません。

ではそれらを全て完璧にこなせる人間がいるのか、ということについては、いるとは思うのですが、非常に稀なのでは、、、と思います。
やはり複数人でなるべく補完しながら進めることが今後の事業展開にも大きく作用すると考えています。

実際に当社も綺麗な線引きはないものの、パートナーがフロント、私がどちらかというとバックより(人事系コンサルはフロント)、という担当でスタートしてうまく機能しています。


これは実際に起業しての経験から来る感想なのですが、色々と知識がない中で会社を起業して、運用していくことは非常に不安であり、且つ不測の事態が毎日のように起こります。
その時に自分だけで考えて対処していくのと、
誰かと壁打ちしながら進めていくのとでは何万倍もの差
があります。

なにより、思うように事業が進まずプレッシャーがかかったり、ストレスがかかった時に励まし合う仲間がいるというのは、非常にありがたく大きな支えとなったのを実感しています。

実際一人で起業していたら今の自分があるとは想像しずらく、二人で知恵を出し合って互いに切磋琢磨した結果であるということを、これを読んでいただいている方には強くお伝えしたいです。
なので同じ志を持った信頼できるパートナーがいることに越したことはなく、そのようなパートナーとどう出会うのか、起業に向けてどのようにマインド醸成していくのかが重要だと考えています。(※個人商店の開業をお考えの方は、必ずしもパートナーが必要とは限りません。ただ協力者という位置づけでサポートをしてくれる人がいると、困った時により良い選択ができると思います)


ココで私の場合を少し紹介させていただきます。(長いので読み飛ばしてもらってもOKです)

起業(2023年)から9年前に遡り、ネットバンクで従事している際に人材営業をしているHさん(現パートナー)と出会いました。私と同い年であるにも関わらず、営業マンとしての所作、プレゼンスキル、課題解決力は他社の営業マンを圧倒しており、ましてや私のプレゼンなんかは足元にも及びません。職種は違えど同い年でココまで差があるビジネスマンは、それまでのサラリーマン人生13年の中で初めてであり、ショックを通り越して尊敬の念を抱いていました。

「世の中にはまだこんな逸材がゴロゴロいる」

今考えれば当たり前ではあるのですが、人事として油が乗って働き盛りの私の鼻っぱしを折るには十分な存在でした。

Hさんとはその後も何度も仕事で絡んでいくことで、互いに理解を深めていきます。私はなんとかHさんから学習・吸収し、顧客としてHさんのリクエストにも確り応えるようにしました。
Hさんもそんな私を少しづつ認めてくれるようになり、気づけばいわゆる困った時に助けてもらえる知人の一人として、年に複数回食事をするような関係となりました(因みに私は食事するような知人は片手で足りるぐらいしかいません)。

そこから自然と二人で起業に対する考えを話し、具体的にどのような事業で何を目標にするのか、どのように社会に貢献するのか、という部分をブレストみたいな形で飲み屋で何時間も話し始めていったところからスタートしました。

今振り返ると互いに持っていない部分を持っている組合せであって、決して同じタイプのビジネスマンで(性格)ではないと改めて感じます。。起業すると決めた後も、お互い長所と短所を補完しあいながら進めていけたので、自分と似たタイプではない方が良いのかもしれません。

これは私の一例であるためパートナーや共に起業する仲間との出会いや、人選は人それぞれだと思います。ただ、重要なのは今後の長い人生で苦楽を共にする相手として、特に厳しい状況でも非難することなく互いに助け合うことができる人でない限り、途中で喧嘩別れになってしまう可能性があるということをお伝えしたいです。
複数人での起業はメリットが大きい一方で、人間関係のトラブルという点では大きなデメリットでもあることをお伝えさせていただきます。


まとめ

ここまで起業に踏み切るに至った状況や考えについて記載してきましたが、正直私の思考や主観が強い内容になっていたかと思います。ここから先は実際に法人を設立するためにどういうプロセスが必要なのか、手続きは何があるのか、何を気を付ければ失敗しないのか、等を実際の経験を元に解説していきます。これから起業する人が必ず通るプロセスを約3万字近いボリュームで詳細に記載しております。時間軸で行くと起業前~起業後の運用まで6ヶ月ぐらいのプロセスをギュッと、分かりやすくまとめています。少しでも起業に興味のある方は、これを読んで、具体的なイメージが湧くのは間違いないと思いますので是非ご参考くださいm_ _m

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