クリエイターは本当に性格が悪い?
皆さんはまだ覚えているでしょうか?
先日開催された東京オリンピック。
開会式の楽曲担当だった小山田圭吾さんと総合演出の小林賢太郎さん、お二人の過去の話が騒動となりましたね。
時間というのは不思議なものですっかり忘れてしまっている方もいるかもしれません。
本記事でこの問題の賛否に触れるつもりはありませんが、騒動に対するネット上の反応の中で一つ私が個人的に気になった書きこみがありました。
”そりゃクリエイターなんだから、性格悪いに決まってるだろ”
これ、めちゃくちゃ引っかかった。
そしてなんで引っかかるんだろう、そう思いながらこの数週間を悶々と過ごしていたわけなのですが、ある程度自分の中でこれじゃないか?という答えが見つかったので今回はそんな話をしようかと思います。
(みんな、私のことは叩かないでね)
クリエイターは性格が悪い人が多い?
クリエイターは性格が悪い人が多い、これ、よく言われていますね。
私自身、自称クリエイターですが、実際には特に実績もなくクリエイターと名乗っているだけの学生です。
ですが、拙いながらも文章なり映像なり表現をしている者として、このクリエイター性悪説、なんとなくわかる気もしていました。
なぜなら自分自身性格悪いなと思うことが多々あるからです。
実際”性格悪いね”と人から言われたこともあります。(反省すべし)
でも正直、元の性格の悪さにプラスして性格悪い自分を演じているところもあります。
クリエイターたるものなんだか尖っていた方がかっこいい、そう思っている節があるのです。
よく若手の芸人さんは尖っている人が多いなんても言いますがまさにあの感じ。
流行りのものをダサいと言ってみる、人付き合いが悪くなる、社会を斜めに見る、などなど.....
”だってクリエイターたるもの良い人じゃカッコ悪い”
パンクロッカーが社会に訴えかけるような曲を歌うように、表現者は皆この”尖っていたい”という気持ちが少なからずあるのだと思います。
(もっともパンクロッカーは彼らの正義を歌っていますが)
そしてそれがクリエイター=性格が悪いに繋がるのだと。
実際本当に性格が悪かったとしてもそこにバイアスがかかるかのように更に性格が悪い様に見えている可能性は大いにあるのです。
クリエイターは性格が悪い方がいいの?
先に結論から言います、答えはNoだと思っています。
私の数少ない経験上から言うと、良いクリエイターに性格が悪い人は本当に少ないです。
こういうと、”良いクリエイター”の定義はなんだ、となってしまいますが、つまり良いものを作ろうとしたときに人脈はとても大切であり、人脈を得るにはこの人と繋がりたいと思う人でなくてはならないということです。
”人脈がなくても天才なら良いものが作れるだろ”
そういう声もあるでしょう。
確かに天才なら人脈なしにもある程度のクオリティを維持できます。
ですが”人脈がない天才”と”人脈がある天才”だとどうでしょう。
後者は更に作品のクオリティが上がること間違いなしだと私は思います。
ちなみにここでの”人脈”が差すのは友人・知り合いの多さ、ではなく、この人と仲良くなりたい、サポートしたいと思う魅力です。
実際私の周りには、人望が厚く、たくさんの人に囲まれているクリエイターがいます。そして、そういう人達は自分の人脈を独占せず、「この人とこの人をくっつけたら面白いんじゃないか?」と相手のために知り合いを紹介する、などということができる人です。
一見意味のないようにも見えますが、こういうことをしていると自分が何かあった時も助けてくれたり、人を紹介してもらえます。そうやってまた人脈を繋いでいける、最終的には自分に返ってくるわけです。
良いクリエイターは”性格悪いフリ”をしている
世間的に有名で活躍しているクリエイターの中にも一見性格が悪そうに見える人がいます。
これは本当に私の推測に過ぎないのですが、きっとそういう人たちは性格が悪いフリをしています。そう振舞った方が良いと判断してのことだと思っています。
毒舌を演じているタレントさんも本当に性格が悪かったらお仕事はもらえません。プロレスのヒールと同じようなもので、自分のパフォーマンスのためのキャラです。
本当に性格の悪い人は最後まで残らない。
これはクリエイターに限らないことだと思います。例え才能があって、運が良くて、それで登りつめた人でも性格が悪ければ限界があると思います。
お金持ちになりたい、有名になりたい、理想の仕事がしたい、人それぞれ色んな理想像、成功の形がありますが、どの成功も自分だけでは達成することができません。
だから、本当に成功したければ、応援してくれる人、そばにいてくれる人を大切にすること。そして時には自分にメリットがなくても誰かに手を差し伸べること。
これが、私が周りの大人たちから学んだ、クリエイターとして、社会人としての在り方です。
性格悪い人は残らない
ここまで、たかが22年しか生きていない、社会にも出てない学生が偉そうに言ってきましたが、私自身この答えに辿り着いたのは最近のことになります。
つまりは、私もまだまだ達していないということです、というか全然。
これまでの私は人付き合いが悪く、尖ってるのがかっこいいと思って生きてきました。そういう精神が皆無でもつまらないクリエイターになるかもしれませんが、この先社会に出てもずっとそういう生き方をしていると周りがどんどん離れていき、最後はイタイ大人になるだけです。実際、そういう大人も少なくないと思います。
今回のこの記事はそういう反面教師な思いで書きました。
これから遅くともあと3年後には私も社会に出ます。これまでの勘違いを正し、この先心がけていきたいと思うばかりです。
最後になりますが、冒頭の開会式の一件。
問題となったお二人の過去はどちらも90年代の出来事になります。
90年代と言えばサブカルブーム。鬼畜系、悪趣味といったジャンルが流行った時代です。あの頃の表現者は皆、今以上に尖りに尖りまくっていたと言えます。
そんな中表現をしていたお二人ですが、長いキャリアを積んで、2020年代の今も第一線で活躍し続けています。
”そりゃクリエイターなんだから、性格悪いに決まってるだろ”
果たして本当に性格の悪いクリエイターがこの時代に残っているでしょうか、
なーんて思う今日この頃です。
2021.08.13
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