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むなしさ

妙にむなしい。
そんな波におそわれることがある。

自暴自棄になってしまいたい。
全て投げ出して、ここから消え去りたい。
からっぽ。
動かねばという使命感に苛まれつつ、気力という燃料もすっからかん。
酒を取りだして飲む。
久々のアルコールでむせる。
気持ちが悪い。
病気の診断を受けてから、酒は飲まないことにした。
酔って気が大きくなって、一線を超えたらもうなんでも出来る気になる。
歌も、踊りも、もっとすごいことも。
制御していた消滅願望が解き放たれて、一線を超えてしまう。
だから、酒はダメだ。
アルコールは危険だ。
そう思いながら、むなしさには叶わぬ。
からっぽなら色々なことを吸収できる。しかし、それも良くない。良いことも悪いことも、人の悪意も明日への不安も、何もかも吸い込んでしまう。
からっぽは人を内側から壊していく。

むなしさに耐えた先に何がある。
このままどこまでも落ちてしまいたい。
昼と夜は交互に訪れる。
晴れた後には必ず雨が来る。
そんな人生の定めに怯えながら、どうして生きていけるだろう。
毎日朝日に怯えながら、どうやって進めばいいのだろう。
今はただむなしい。
嵐のように訪れ、ボロボロになった心の内を治すまもなくまたやってくる。
あぁ、またか。もうやめて欲しい。
いつかむなしさのため息が、安堵のため息に変わる日は来るのだろうか。

分からないまま、また朝を迎える。




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