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海外在住者って、アイデンティティ欠落しがちじゃない?

ちょっと難しい話題なんだけど、ちょくちょくこのことについて考えるのでノートに吐き出してみることにしました。

タイトルの疑問を持ったのは、「海外に住んでいること」自体がその人の肩書きになってしまいがちだから。例えば、「ドイツワーホリの〇〇さん」「オランダで留学してた〇〇さん」「ロンドン駐妻の〇〇さん」「シンガポール帰国子女の〇〇さん」など。国名のインパクトが強すぎて、それだけで「うわ、すごい!かっこいい!」ってなると思うんです。

もちろん、住み慣れた国を離れて異国の地で生活することは簡単ではありません。だから、どこかの国での居住経験が肩書きになることは自然だと思います。私自身も、学生時代から通算すると、居住経験のあるヨーロッパの国は今で3カ国目。家探し、ストーカー、フラットメイト、水回りや食事まわりなどで、どの国でも最初は色々なトラブルがあり大変でした。

ですが、数ヶ月も住めば、人は慣れるものなんです。
そして、慣れるに従って当の本人は(というか私は)「海外に来ただけで満足しちゃった」「この国に来たはいいけれど、実際のところは何しに来たんだっけ」「家族や友人と離れてまで来る必要あったのだっけ」という"アイデンティティクライシス"に陥ってしまいます。もっとも、現地での仕事という大義名分がある方や、その地でしかできない研究などでで来た方は違うと思いますが、私のようにノマドオンラインで働いてたり、とりあえず海外が良くてワーホリ・留学をしたり、ご家庭の都合で引っ越した方などは共感してもらえるのではないでしょうか。

いざ、海外に来たとしても、実際は他の人から見られた時ほどすごいと思われるようなことはしていなくて。ガワだけ立派で、中身が追いついてないなと感じてしまう瞬間がある気がしてます。

旅行に関しても似たようなことを感じます。「30カ国行ったことがあります」とか「世界一周達成しました」とか。もちろん文化の異なる地に足を踏み入れることは、とても勇気のいることですが、その旅で何を見たか、何をしたか、まで言語化できないと、なんとも薄っぺらい経験に思えてしまうんじゃないかって、思うんです。

こんなクライシスに陥らない解決策は、自分にしっくりくる国を見つけること。魔女の宅急便の「私、この街に決めた!」ってやつです。

「魔女の宅急便」作品静止画より
https://www.ghibli.jp/works/majo/#&gid=1&pid=13

何を言ってるんだと思われるかも知れませんが、どうしても海外に住みたい方、もしくは日本を出たい方。「とりあえず海外」という思考を捨てて、しばらくホームを探す旅に出てみてください。必ずしっくりする国に出会えると思うんです。それは、治安の良さ、物価の安さ、文化、言語、国民性などあらゆる要因があると思いますが、探せば必ず見つかると思います。国じゃなくてもいい。ヨーロッパ、東南アジア、など大きな括りでもいいと思います。自分にしっくり来る国、場所を見つける旅に出て欲しいです。一度旅に出てみて、やっぱり日本がいいやとなることもあると思います。それはそれで良い発見なんじゃないでしょうか。

私にとっての運命を感じた国は「チェコ」でした。
それは運命的な出会い方もありますが、景色、チェコ人の人間性です。どんなに車を飛ばしてても、車は必ず歩行者優先で止まってくれるし、花束を持って歩いてる男性が多いし、お店を出る時は「Na shledanou(さようなら)」と言います。本当に優しい人が多い国だなって思うんです。ヨーロッパにしては物価は安いと思っていましたが、プラハは今ではそんなに安くありません。ランチしたら日本の1.5倍くらいの金額はかかります。

それでも、私にとってはなんかわからないけど好きな国、いるだけでドキドキする国なんです。大好きな国で働く自分が好き、みたいなところがあるかも知れませんが笑 もうそれでもいいです。 この場所にいることが自分のアイデンティティ。そう感じるような場所に出会えたことは幸せだなと思います。

📷カバー写真
マジックアワーと重なったチェコ・プラハ城🇨🇿

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