これから毒親と絶縁する人へのアドバイス4選
私は実の母と絶縁をしています。
理由は幼少期から青年期まで続いた虐待及び経済的DVです。
この記事では、これから毒親と絶縁したい方に向けて、経験者の私だからできるアドバイスを書き留めます。
これから絶縁したいという方には、参考にしてみてください。
絶縁とは
はじめにお伝えしておくと、法制度としての「絶縁」というものは存在しません。戸籍を別にすることはできても、親子でなくなることはできません。心理的な救済という意味で親と戸籍を別にするというのは効果があると思うので、救われる方は分籍などで対応するといいと考えます。
このような法制度や法律に関しては弁護士事務所が公開している記事や専門書籍を読んだり、専門機関に相談することをおすすめします。毒親だけでなく、ストーカーへの対応方法などの情報も活かすことができるので、アンテナを伸ばしておくといいでしょう。
特に、すでに逃れるための引っ越しをしている場合で、親がしつこく追跡をしてくる場合は住民票の閲覧制限などの対応をしなければならないケースもあると思います。親というものは、委任状なしに子どもの住民票・戸籍調本などを調べることができます。ただ、閲覧制限をかけるにはそれぞれ市区町村に支援措置の申し出を行う必要があります。誰かに状況を相談する心理的負担があるので、自分の状況を考えて行動・相談しましょう。
さて、ここまではwebや図書館などで調べたらいくらでも出てくる情報です。これから書くのは、あくまでも私個人が経験した
もっとこうしておけばよかったな
絶縁したらこんな制限あるんだ
これ、早くに知りたかったな
と感じた事柄です。
そして、毒親との絶縁において、何より優先されるのは自分の命と生活です。それと比べたら捨て置いてもいいようなアドバイスですが、知っておくとあなたのこれからの生活を少しだけ明るくできるかもしれません。そう願って、この記事を書くことにします。
1.逃げる前に忘れ物をしないように
縁切りをするということは、もうその家(場所)に戻らないということです。関係を絶つのですから、気軽に忘れ物を取りに戻ることは叶いません。
銀行通帳・カード
まず、持っていかなければならないのは自分の名前の銀行通帳やカード。
一緒にいる間だけでなく、出ていってから使われるケースがあります。特に暗証番号などを把握されている場合は注意してください。私はそれで一度やらかしていて、とても後悔しました。
もし難しかったら新天地で新しい銀行口座を作って、過去のものは解約した方が気持ちいいかもしれませんね。合わせて、携帯電話などの契約関連も心身が落ち着いたら速やかに、そして確実に対応していきましょう。
写真やアルバム
毒親から逃亡したあなたには、これからの人生があります。
だけど、それまでの人生もあなたの一部です。
当時は「正直過去なんて思い出せなくてもええわ。思い出さんでええことが9割やのに」なんて考えてました。
自分の幼少期についてある程度乗り越えた今だからこそ芽生えた感情ですが、今では写真を持ち出せなかったことを後悔しています。
例えばあなたが「結婚したい」と思った誰かに出会ったとします。そして結婚式を挙げるとなった場合、小さいときの写真がないのはあなたの心を暗くさせるかもしれません。ウェディングムービーに使う写真がありませんから。そのような場面は、自分が相手に申し訳ないと感じると同時に、大切な人たちにも気を使わせちゃったりします。
なので、親が写ってない写真だったり、ハサミで切っても違和感がないような写真があれば、逃亡時や縁切りするときに持って行った方がいいかもしれません。
2.これからの人生に、制限がかかる場面がある
親と縁切りをしてから、気を付けなければいけないことがあります。
それは、SNSやメディアでの個人情報漏洩です。
顔が写真に映ったり、自分の情報がどこかに掲載されることで、現在の職業や居住地がバレる可能性があります。リスクは常に念頭に置いておかなければいけません。
私は長いこと介護の仕事をしていたのですが、当時はセミナーや講座・職場の集合写真ですら怖かったです。リスクが高そうな露出になりそうな場合は事情を説明して拒否していました。命に関わる逃亡をしている場合は、メンタルが削られると思いますが事情を説明して撮影を拒否することをおすすめします。
合わせて、友人と遊ぶ場合もInstagramやSNSで自分が映った写真が公開されないか、その投稿から現在地が特定されないかなども注意しなければいけません。
今は介護の仕事をやめて、なんやかんやあって小説を書いています。
そのなかで、公募(小説のコンテスト)で受賞した場合、受賞式に出席する義務が生じたり、顔が公開されるインタビューを受けなければいけないものがあります。これは縁切り・逃亡している立場からするとめちゃくちゃリスクが高いです。
顔も声も居住地も年齢だって公開されますから。本名が出るところもあります。インターネットで検索したら一発で表示はさすがにやばいです。なので、挑戦したいことがあっても個人情報の兼ね合いで挑戦できないことも多少出てくるでしょう。小説やエッセイを書いて過去を乗り越えようとする方もいると思いますが、気を付けてください。応募要項や受賞時の条件などは、細かく確認しましょう。
(私は、今はもしバレてもどうにかしてやる!ぐらいのメンタルになったので色々と挑戦しています。ですが、やっぱり命や精神の安定が最優先です)
誤解をしてほしくないのですが、縁切りしてからなにもできないわけじゃありません。行動の不自由さや息苦しさを感じることがあっても、今の環境の方が間違いなく自由で、幸せです。
3.絶縁しても本人以外の何かしらから連絡がくることがある
様々なケースがあるので一概には言えませんが、親と絶縁するケースでは機能不全家族の可能性が高いでしょう。警察・行政・役所・病院などから何かしらの連絡が来ることあります。向こうも仕事で連絡してきているので、事情を説明すればOKです。私の個人的な経験で言うと、だいたい向こうも察してます。
4.後悔しない絶縁・別れはない
私は親に直接絶縁する旨を伝えました。はっきりと。
人によっては絶縁状を書く方もいるそうです。何も言わずに逃亡する人が一番多いような気もするけれど、どうなんでしょうね?
他者から見ても絶対に絶縁した方がいいと言われるケースでも、後悔は出てくると思います。こんな記事を書いている私も、後悔の念に苛まれたり、実の母を傷付けたと思い苦しむ日は少なくありません。
「もっと別の道だってあったのでは?」
「母も私も笑えるルートも存在したかもしれない」と。
だけど今までそんな道を探して試して抗って、それで絶縁に行きついたはずなのです。
後悔したり不安になったりするのは、あなただけじゃありません。
後悔がない別れをできる人は、きっと極々僅かな人だけでしょう。
罪悪感があるかもしれませんが、あなたの人生はあなたのものです。
私は親と絶縁してから、気づいたことがあります。
とてもシンプルで、当たり前のことですが『親以外の存在でも、私が生まれたことを、生きていることを喜んでくれる人はいる』ということでした。
そのことは、私が日々生活するなかで、息を楽にしてくれる現実のひとつです。
これから親と絶縁するあなたへ。
後悔を抱えながらでも、自分の人生を優先してください。
その権利があなたにはありますし、誰からも咎められることもありません。
この記事が、これから毒親と絶縁する人の役に立つことを願います。
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