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#ネタバレ 映画「砕け散るところを見せてあげる」

「砕け散るところを見せてあげる」
2020年作品
本当に砕け散った
2021/4/14 9:32 by さくらんぼ (修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

映画館にポスターが貼ってありましたが、これだけでは何の話だかさっぱり分かりませんね。

この状態で映画館に入りました。

でも、それで良かったのかもしれません。

前半、高校の朝礼シーンがあり、一人の女子高生が悲鳴を上げたところから、一気に物語の世界に引きずり込まれました。

私にとって、ほとんど眠気が起こらなかった稀有な作品です。

主演の中川大志さんと石井杏奈さんは、ともに良かったですが、特に石井杏奈さんの演技は凄かったです。

まるで貞子にセリフをつけたみたいでした。

終盤、ドラマが急ぎ足になり、詰め込み過ぎて、ゴチャゴチャ感がありましたが、このドラマは2時間では短いのかもしれません。2時間×2回程度でTVドラマ化してもらいたいものです。

★★★★☆

追記 ( ヒーローになりたい ) 
2021/4/14 9:50 by さくらんぼ

ふと、映画「フィッシュストーリー」を連想しました。

オマージュか否かは現段階では分かりません。

追記Ⅱ ( でも、砕け散ってはいけない ) 
2021/4/14 10:29 by さくらんぼ

高校では友だちをたくさん作り、できれば人気者の一人になりたかった地味な少年・濱田清澄(中川大志さん)。

しかし、入ろうとした人気者のグループからは、(なんだコイツ的)違和感を持たれ、ハジキ出された過去があります。

それでもなんとか一人の親友と、何人かの友だちが出来、それなりに充実した高校生活を送っていました。

そんな彼も3年生になりましたが、朝礼で一年生の女子・蔵本玻璃(石井杏奈さん)がいじめを受けているのを目撃したのです。

後姿だけで顔は見えませんでしたが、たまらなくなって朝礼後に声をかける濱田。

しかし、突然その女子は悲鳴を上げたのです。

普通なら「なんだコイツ」と、それっきりになってもおかしくありません。

しかし、親友の「あいつはあっち側、お前はこっち側、今なら戻れるけど、これ以上あいつに関わると、戻れなくなるぞ。俺はお前が居なくなると寂しいんだ」みたいな忠告を無視して進んでいくのです。

( 私に似たような経験があります。仲の良い男友だちから、なんとなく最近連絡が来ない。「どうしたのかな」と思っていると、「(お見合いして)彼女が出来た」と連絡が来たのです。

祝福するのと同時に、一抹の寂しさがこみあげてくる瞬間です。 )

そして、命の危機を複数回経験して、とうとう砕け散ってしまいました。

濱田の行動は正義ではあったかもしれませんが、模範的ではありません。

もっと、誰か大人の協力を求めるべきです。映画「真昼の決闘」の保安官のように。しかし、濱田はほとんど単独で行動したのです。

命にかかわるのに、模範行動ではないという事で、この作品には問題があると思ました。この作品を観た学生が、いじめられている人を助けなくなる心配も感じました。

しかし、タイトルの「砕け散るところを見せてあげる」を思い出して、「砕け散ってはいけないのだから、砕け散るところを見せてくれるこの作品は、正解を描いてはいない、それを正直にタイトルで忠告していたのだ」と思い至ったのです。

追記Ⅲ ( 映画「フィッシュストーリー」 ) 
2021/4/14 10:47 by さくらんぼ

(  以下、映画「フィッシュストーリー」のネタバレです。 )

>ふと、映画「フィッシュストーリー」を連想しました。

>オマージュか否かは現段階では分かりません。(追記より)

思いを巡らしてみましたら、複数個所のヒントがありまして、映画「フィッシュストーリー」への、オマージュの可能性が高まったように思いました。

とりあえず一例を挙げると、主人公だけでなく、隕石(UFO)も砕け散りましたし。

追記Ⅳ ( 4つめの掟 ) 
2021/4/14 18:12 by さくらんぼ

ヒーローの3つの掟が出てきます。

「ヒーローは悪を見逃さない」。

「ヒーローは自分のためには戦わない」。

「ヒーローは負けない」。

でも、4つ目があるのかもしれません。

それは、スーパーマンがそうであるように…

「ヒーローは去っていくものである」。

主人公は(「寂しくなる」と言われた)親友からも、

(「ずっと一緒にいようね」と言われた)ヒロインからも、

去っていきました。

追記Ⅴ ( 映画「フィッシュストーリー」② ) 
2021/4/15 9:47 by さくらんぼ

映画の冒頭、朝礼でたくさんのゴミを投げつけられるヒロイン・玻璃。

遅れてきて後ろで見ていた主人公・濱田は、朝礼が終わってから、ゴミをかたずけながら玻璃に声を掛けました。

映画「フィッシュストーリー」の冒頭にも、ゴミだらけの街が出てきました。汚らしかった。隕石が降ってくるから、もう誰も掃除なんかしないのでしょう。

その時、沈黙からいきなり悲鳴を上げた玻璃、私は吃音でもあるのかと思いました。それがイジメの原因になっているのかと。しかし、玻璃は怯えていただけであり、やがて、心を許した主人公・濱田にだけは、スラスラと話せるようになりました。そのギャップが凄く、とまどう濱田。

沈黙気味の断片的な話し方は、二人の味方になってくれた女子生徒の尾崎も同じでした。こちらは単なる癖のようです。イライラして「もっと滑らかに話してくれないか」とお願いをする濱田。

それにしても、どうして、こんな沈黙ぎみのエピソードが挿入されているのでしょう。

私は映画「フィッシュストーリー」で、「FISH STORY」という曲の中に在る、1分間の無音から来ているのだと思いました。

それから、玻璃がイジメにあい、真冬なのに、頭から水をかけられた上に、トイレの物置にとじこめられてしまうエピソード。

異常を察知した濱田が駆けつけて助けるのですが、あれは映画「フィッシュストーリー」のフェリーで、降りそこねて泳いで帰ろうとして止められ、その後にシージャックにあってしまうヒロインから来ているのだと思いました。

この他にも、さがせば色々ありそうです。

追記Ⅵ 2022.6.15  ( お借りした画像は )

キーワード「勇気」でご縁がありました。カラフルな色に惹かれました。飲酒は深層的には自殺願望でもあるらしいですね。だから酒瓶にはどくろマークがあったりすると、本で読んだことがあります。

少し上下しました。ありがとうございました



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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