婚約破棄をしたら、裁判に負けて全財産715円になった話
29歳の時、結婚式の1週間前に婚約破棄をした。
2人でマンションまで買って一緒に住んでいたから別れるのはそれなりに大変だった。
婚約破棄を言い出したのは、私から。
付き合っていた時にはわからなかったのだけれど、いざ結婚するとなったら、相手がありえないほどマザコンなのがわかり、ぷちんと何かが切れてしまったのだ。
結婚式のキャンセルとか、両家への説明とか、もろもろの手続きも済み、やっとこれで全部終わったと思いきや、話はそこで終わらなかった。
なんとなんと、私が婚約破棄をしたのは、他に別の男がいるからだ、と元婚約者のママが言いがかりをつけてきた。
息子を傷つけた慰謝料を払え!と弁護士さんから連絡が来て、身に覚えがないので突っぱねたら、裁判になってしまった。
えー?いくら私が憎いからってそこまでする?
恐ろしいママだな!とびっくりしたが、他に付き合っている男性などいなかったので、仕方なく裁判所に出向いた。
裁判というものは、正しい方が勝つと世間知らずな私は勝手に思い込んでいたのだが、実際には全く予想もしない結果になった。
1年くらい長引いた裁判は、蓋を開けてみれば、私の完全な敗北。
相手は、予想以上に狡猾だった。
知らない間に私に探偵をつけていたらしく、数々の写真を状況証拠として提出された。
それは、当時、不動産会社に勤務していた部下の私を、上司の男性が夜遅く車で送ってくれた写真や、婚約破棄のことを相談していた会社の男性の先輩との2ショットや、なるほどこんな風にここだけ切り取ったら、まるで2人でラブホテルに入ったように見えるなという見事な写真だった。
尾行されて写真を撮られていたなど全く気付かず、のほほんと何の交戦準備もせずに裁判にのぞんだ私がぬるかったとしか言いようがない。
みなさ~ん、あのね、状況証拠というのは、その気になればいくらでもでっち上げられるんですよ。
そして、「なかったこと」を証明するというのは、とても難しいんです。
裁判なんて生まれて初めての体験なので、何をどうすればいいのかよくわからないまま時間がたち、だんだん精神が持たなくなり、ある時「もういいや」と思ってしまって、相手の言い分をほぼ全面的に受け入れた。
それなりの慰謝料を払い、マンションの頭金を放棄し、結婚式のキャンセル料を払ったら、もう手元にお金はほとんど残っていなかった。😱
財布を開けたら、入っていたのは715円。
それが、29歳の私の全財産だった
*身バレを防ぐため若干フェイクが入っています。
【後日談】この時のことは、しばらくたって本になりました。
▼それがこちら
あまりにドロドロした話は読者がひいてしまうから・・と編集者さんに言われて、この記事に書いた部分は、編集でカットされました。💦
【痛い経験から学んだ人生の教訓】
青山華子は、こんな人です。
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