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『死んじゃいけない星』の終わりに

白白庵での大槻香奈個展『死んじゃいけない星』が終了しました。
会場に足をお運び頂いた皆様、オンラインで見守ってくださった皆様、関係各位、そして作品をお選びいただいた皆様に深くお礼申し上げます。

会期中にはたくさんの言葉を、多くのお客様と交わしました。
すごい盛り上がりでした。『日本現代うつわ論』で大槻さんを知ったというお声や、時にはこのnoteを目にしてご来場くださったというお話もいただきました。
とても嬉しいことです。何も気の利いたことが言えないくらいに。

このアカウントは半ばプライベートのつもりで始めましたが、ワークライフバランスという概念を僕は理解はできておらず、すべてがワークですべてがライフとして暮らしているため、こんな形で毎日長文を書き連ねていました。
ある意味においては、ギャラリースタッフとしてここまでエモーショナルな姿勢で仕事をするのは正しくないのかもしれません。クールに、客観的に作品を取り扱い、お客様とフラットに接して、安心して鑑賞できる環境を作り上げることが本来求められる役割です。
もちろん会場では空気を読んでそういう感じで過ごしている時間もありましたけれども。基本的に暑苦しい感じだったかもしれません。
しかし、大槻香奈という作家が今回、ステートメントを手放して感情的な部分を曝け出して展覧会を行うとなれば、いわゆる「仕事」的な正攻法のやり方では僕はうまく伝えることができない、と判断しました。僕自身のスキルの問題として。結果、自分自身でも驚くほどに出展作品と深く向き合い、お客様からいただくご感想を深く受け止めて過ごしていました。
芸術作品を鑑賞することとそれを販売することにおいて、こんな仕事の仕方が成立するんだ、という驚きもあります。(次通用するかは分かりませんけれども)
それは大槻さんの作品が持つ力が礎となって、それを受け止める鑑賞者たちのうつわがあっての話です。幸福な関係性です。そこに立ち会えたことをとても嬉しく思いますし、とてもじゃないけれども普通では得難い経験を積ませていただいたと思います。
とはいえ至らぬ点ばかりで、混み合う中でゆっくりお過ごしいただけなかった方もいらっしゃったでしょうし、見せ方や伝え方にはまだまだ多くの課題が残ります。経験値を積むことで、頂の遠さに絶望しそうにもなります。

そういう良いも悪いも複雑な思いもひっくるめて、作者と作品と鑑賞者の幸せな関係を祈る、という意味ではやっぱりこの『ずっといい』が今展覧会の核にあったんだな、と思います。

『ずっといい』


この作品タイトルを英訳するときに大槻さんと相談して大笑いしながら『Happiness forever』とつけたその答え合わせをしているような感覚です。


この会期中は本当にこの展覧会のことしか考えてなかったので、このnoteは毎日『死んじゃいけない星』の話でしたが、明日からは普通の日記とか僕の文章練習用の個人スペースという体裁に戻ります。

本当にありがとうございました。
作品をお選びくださった皆様、お届けまで今暫しお待ちくださいませ。

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