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春眠ジャズを聴く

今週のジャズ・トゥナイトは「名盤誕生日」 ジョン・ルイス『グランド・エンカウンター』でした。

『グランド・エンカウンター』でなんと言っても注目してしまうのはジャケット写真で白人の少女が草原で寝転んでいるなんとも春に相応しいアルバムだと昔から聴いていたのです。


John Lewis - piano
Bill Perkins - tenor saxophone
Jim Hall - guitar
Percy Heath - bass
Chico Hamilton - drums

タイトルはウェスト・コーストのジャズ・ミュージシャンとイースト・コースとのジャズ・ミュージシャンが出会ったという感じですけど、イースト・コーストのジャズ・ミュージシャンもMJQのリーダーのジョン・ルイスとベースのパーシー・ヒースなのでハードバップ的な演奏よりは室内楽的な演奏で、その分ウェスト・コーストよりになっているのかと思います。テナー・サックスがビル・パーキンスですし。

曲目もスタンダード中心でわかりやすく、ゆったり聴ける曲が多いです。なによりも一曲目の「ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー」のジョン・ルイスのピアノのイントロから始まるテーマとビル・パーキンスがゆったりと入ってくる雰囲気がたまらない演奏になっています。

ビル・パーキンスのテナーはレスター・ヤング的なのかな。白人のクール・ジャズというウェスト・コーストの特徴でもありますね。チコ・ハミルトンのブラッシュ・ワークも曲調に沿ったドラミングで知的な感じがします。そして何と言ってもこの時24歳だったというジム・ホールの貫禄ですね。裏面の集合写真では一番年下の癖に貫禄があると言われていました。

音楽的にはジョン・ルイスの知的にコントロールされた室内ジャズ的ですね。ジャケットは外の陽射しが気持ちよさそうなのに。

杜甫だと思ったら孟浩然の漢詩を添えたいと思います。

二枚目はブルーノートのアイク・ケベックの『ボサ・ノヴァ・ソウル・サンバ』

アイク・ケベックはオールド・スタイルのジャズ・ミュージシャンで同じブルーノートには『春の如く』という重厚な春眠ジャズがあるのですが、こっちはボサ・ノヴァで軽快さがいいのです。海風を感じるような。

Ike Quebec - tenor saxophone
Kenny Burrell - guitar
Wendell Marshall - bass
Willie Bobo - drums
Garvin Masseaux - chekere

ここでもギーターのケニー・バレルがいいですね。

三枚目はセロニアス・モンクの『セロニアス・ヒムセルフ』ではどうでしょうか?モンクのソロ・ピアノが夢心地で「パリの四月」から「ラウンド・ミッドナイト」までモンクの世界に誘ってくれ、ラストにコルトレーンがチョイ役で顔を出す「モンクス・ムード」が最高なアルバムです。



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