あおい

本と音楽、ラジオ、アイドル、文房具がすきです。

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最近の記事

ウェイド・ブラッドフォード(2023)『13かいにはきょうりゅうがいる』(青山南訳)ひさかたチャイルド

イビキさんが今夜宿泊するのは、「ナカヨシ・ホテル」。 イビキさんはくたびれていて、はやくねむりたい。しかし、案内された部屋には、ねずみがすでにねていた。 フロントに電話をし、別の部屋を案内してもらうが、そこにも先客がいたり、上の階のお客が気になったり。なかなか落ち着かない。 そして、最後に行きついた部屋には……? 書名がすこしネタバレなような気がするが、オチが意外と平和でほっこりする。絵がかわいくて、さまざまなどうぶつが出てくるので、結末がわかっていてもたのしめるか。

    • 島野雫(2023)『つきのこうえん』パイインターナショナル

      いつもお母さんと一緒にねむる、るなちゃん。 ある夜、お母さんがなかなかベッドに来ないので、いつまでもねむれないでいた。すると、窓の外に男の子がきていた。 その子についていくと、つきのこうえんにつく。 そこには、ほかにも子どもたちがたくさんいて、それぞれあそんでいるのだった。 一晩のふしぎな体験が、幻想的な絵で描かれている。

      • かじりみな子(2023)『どうぶつみずそうどう』偕成社

        用水をひいて、そのまわりで農業をしているどうぶつたちの物語。 平等に水がいきわたるよう、分水のしくみを考える。 昔話調で、円筒分水のよいところを説明している。動物たちの絵がユーモラスで、むずかしいことはわからなくてもたのしめる。 水をひとりじめしようとするイタチに対して、ほかのどうぶつたちが案外怒らず、やさしい世界だな、とおもった。

        • 周索欄(2023)『わたしがはやくねるわけはね…』小学館

          担任の先生がだいすきな愛ちゃん。 お姉ちゃんに教えてもらい、明日が先生の誕生日だと知る。そこで、お姉ちゃんと協力して絵を描いて、両親とお花を用意した。 翌日、プレゼントを渡せるか、どきどきしながら登校した。 すると、クラスメイトの男の子が、担任が誕生日であることをみんなに教えていた。 しかし、ほかのクラスメイトは誕生日のことを知らなかったため、プレゼントを用意していなかった。そこで、みんなで「おめでとう」ということにする。 愛ちゃんは、じぶんだけプレゼントをわたすわけには

        ウェイド・ブラッドフォード(2023)『13かいにはきょうりゅうがいる』(青山南訳)ひさかたチャイルド

        • 島野雫(2023)『つきのこうえん』パイインターナショナル

        • かじりみな子(2023)『どうぶつみずそうどう』偕成社

        • 周索欄(2023)『わたしがはやくねるわけはね…』小学館

          いずみまいこ(2023)『ヴィクターのはいしゃさん』みらいパブリッシング

          歯科医師のヴィクターのところには、さまざまな患者が次々とやってくる。 絵のなかの犬や、博物館の標本。 ふしぎな患者それぞれに合った治療法をおもいつき、どんどん対応していく。 すこし暗いファンタジー調の物語と絵が合っている。大人向けの絵本。

          いずみまいこ(2023)『ヴィクターのはいしゃさん』みらいパブリッシング

          北村人(2023)『すうじのうた』ひさかたチャイルド

          夢虹二の歌に絵をつけたもの。 数字のかたちと似ているものをあげていく絵本。 巻末に楽譜がついているので、絵本を見ながら歌うこともできる。

          北村人(2023)『すうじのうた』ひさかたチャイルド

          つるたあき(2023)『けろずもう』KADOKAWA

          色合いがあざやかできれいな絵本。 かえるが苦手でも、この絵本には見入ってしまうのでは。 かえるとかえるの鳴き声がそろうと、すもうが始まる。 すもうが始まると、天敵が現れて……という物語。 カバーをはずすと、裏表紙でかえるの紹介がされていて、すこしかえるに親しむことができる。

          つるたあき(2023)『けろずもう』KADOKAWA

          間瀬なおかた(2002)『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』ひさかたチャイルド

          うみのえきから、電車に乗って、トンネルをぬけてやまのえきをめざす。 トンネルの入り口と出口に穴があいていて、前の頁と次の頁をのぞくことができるところがおもしろい。 さらに、この絵本はうしろからも読むことができる。 まさに、電車で行って、電車で帰ってくることができるのだ。 絵がかわいらしく、おだやかなきもちで読むことだできる。

          間瀬なおかた(2002)『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』ひさかたチャイルド

          高畠那生(2023)『おきにいりの白いドレスをきてレストランにいきました』童心社

          書名がすべてを語っている。 女の子がおきにいりの白いドレスをきてレストランにいった。そこで、ケチャップをドレスに落としてしまう。 その女の子の衝撃が描かれた絵本。 それだけ、と言ってしまえばそれだけなのだが、ほんとうにこの衝撃が脳内で起こることがある。ユーモアなのだけれど、なんだか共感できる。そして、つっこみながら笑ってしまう。ぜひ読んでもらいたい絵本。

          高畠那生(2023)『おきにいりの白いドレスをきてレストランにいきました』童心社

          眞島めいり(2023)『文通小説』講談社

          おなじ大学に通いたい、とおもうほどだいすきで特別な親友が転校することになった。 実はチャットが苦手だというその親友は、文通をすることを提案してきた。 しかし、これまでずっといっしょにいたひととの文通はもどかしい。 返事はすぐにこないし、送られてくるのは文章ではなく絵だった。 その絵から、じぶんより仲のいい友だちができたのではないか、じぶんのことはもう忘れてしまったのではないか、と不安が募る一方。 我慢ができなくなって、会いに行くことに。 そこで、同じ大学に通おうと言ってい

          眞島めいり(2023)『文通小説』講談社

          ロクサーヌ・ゲイほか(2020)『パワーブック 世界を変えてやるチカラ』東京書籍

          目に見えない力、うまれもった個性によってつけられてしまう力。不条理におしつけられる力。 さまざまな力が働いている世の中で、どのようにじぶんらしく生きていけばよいだろうか。 よい方に、じぶんがもっている力を発揮した人物が紹介されていて、おもしろい。 力というと、えらいひと、権力者といった、じぶんとは縁遠いひとがもっているようにおもう。しかし、だれもが力をもっている。じぶんらしく、だれかのために、その力を使えるようになりたいものだ。

          ロクサーヌ・ゲイほか(2020)『パワーブック 世界を変えてやるチカラ』東京書籍

          島内景ニ(2008)『教科書の文学を読みなおす』(ちくまプリマー新書092)筑摩書房

          『舞姫』や『坊ちゃん』など、教科書で読んだ物語を今一度読み直す。 学校の授業などまじめに聞いていなかったが、今改めて授業を受けるきもちで読むとおもしろい。 『舞姫』など主人公の突き抜けたダメ男ぶりに意味がわからず、嫌悪感を通り越してつくりもの感を強く感じた記憶しかなかった。しかし、著者はこの物語が教科書に掲載されている意味を考えてみよう、と提案してくる。 教科書に掲載されているということは、読んだことがあるひとが多いということだ。同世代の間で、教科書でこれを読んだ、あれを

          島内景ニ(2008)『教科書の文学を読みなおす』(ちくまプリマー新書092)筑摩書房

          鴻巣友季子(2003)『翻訳のココロ』ポプラ社

          最初の職業として翻訳家をめざすひとなどいなかった時代から、翻訳とむきあってきた著者が、「翻訳のココロ」を探る。 『嵐が丘』を翻訳したときのエピソードや、翻訳家である柴田氏との対談が興味深い。

          鴻巣友季子(2003)『翻訳のココロ』ポプラ社

          楠章子(2023)『森の小さな三姉妹 森ネコさんのおかしをどうぞ』Gakken

          『へんくつさんのお茶会』と同世界の物語。 へんくつさんのもとで働いている小人の妹が主人公になっている。 街の何もできないお嬢さんねこをやめ、森でくらすことにしたねこ。 そのねこを助けるために、小人の姉妹とその友人が奮闘する。 末っ子で仕事がない小人と、家で不自由なく暮らしていたねこ。お互いが森のなかでだれかの役に立ちたい一心で、じぶんにできることを探る。 森のなかまたちにかこまれ、それぞれが知らないうちにじぶんらしく輝いている。やさしい物語。

          楠章子(2023)『森の小さな三姉妹 森ネコさんのおかしをどうぞ』Gakken

          赤塚不二夫ほか(2014)『アンソロジー ビール』PARCO出版

          ビールをまともにのんだことがない。むかし、なめたことがあるくらい。ほぼのまず嫌いである。もともとアルコールに強くないのだけれど。 ビールを楽しんでいるひとたちは、なんだか爽快な感じがする。 苦楽をのみこんでながしていくようで、すこしうらやましい。 作家たちのビールに対するこだわり、ビールにまつわる話を読むと、じぶんもその時間を共有したくなる。 敬意をこめて、「とりあえず、ビール」。

          赤塚不二夫ほか(2014)『アンソロジー ビール』PARCO出版

          真田正明(2021)『朝日新聞記者の200字文章術 極小コラム「素粒子」の技法』さくら舎

          朝日新聞で「素粒子」を書いていた著者が文章術を語る。 短く見出しもないコラムに目をとめてもらい、最後まで読んでもらうには、どのような工夫をしていたか、ということをうかがうことができる。 句読点の打ち方や文章の長さ、有名な文章やフレーズの引用ではなくパロディとすることなど、じぶんでもとりいれたらおもしろそうだとおもうポイントが詰まっている。 限られた紙面のなかで、こころに留まる文章を書いてきたというだけであこがれる。

          真田正明(2021)『朝日新聞記者の200字文章術 極小コラム「素粒子」の技法』さくら舎