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7 余は如何にして考えることを止めし乎(橋本治風?)

 前略;大変そうですが元気ですか?
 頭が整理できそうもないのでワープロで打ちます
 内容がバラバラ飛ぶと思いますがご了承を

 要は、いろいろと考えるということについてですがと…

 中学の頃、眠ろうとするといろんな言葉がブンブンとハエのように飛びまわって、うるさくて仕方ないのでそれをノートに書きつけたと、それが私の悩みの始まり….

 それ以来、「俺はみんなとはちがう」とか密かに思いながら、たぶんみんなと同じようにブツブツ言っていたら、「カッコワルイ!」と言われたかどうかは定かではないが、何もできずに彼女にフラレて、「後悔残すべからず(?)」と決めたのが高校の頃(ホントかよ?)

 むかし、ドイツ語で「我思う、故に我有り」って言ったおじさんがいるとかで、それをもじって「我感ず、故に我あり」と開き直ったのが20歳のときかな。アウトプットの義務を免除しちゃったわけだ。別にしたけりゃしてもいいんだけど、基本的には、「ほお~!」とか「ふ~ん」とか言ってられればいいと(いいだろ!)

 いつか話したかもしれないけど、私の卒論は鴎外なのね。鴎外っていう人は、私に言わせれば「元祖青い鳥症候群」みたいな人で、ずっと「これはホントの俺じゃない」てやってたんだけど、その人が50歳過ぎに書いた「妄想」っていう作品で、「この疑問を抱くことが許されるのは天才のみである」って言ってるわけだ。鴎外がだぞ!「だったら俺考えるのや~めた」っと匙を投げたのが私だ。(偉い!?)せっかく昔のひとが何十年もかけて考えてくれたんだから、その蓄積を使わないテはないんじゃないのとかさ。実体験が大事っていう考え方もあるだろうけど、だったら本読む意味なんてなくなっちゃうし、自分が信頼する人が言うんだったら信じてみてもいいなってね。その分私は鴎外より先にいけるかもしんないし…とかさ
 ちなみに私の卒論の結びはこんなだった(と思う)
 「もし、真剣に生きるということが、現状の自分を否定し続けることであり、そしてもし、幸せというものが、現状の自分に満足するところにあるとしたら、それは何と大きな矛盾であろうか!」(ほ~お)
  
 大学出る頃に、「何だったんだろうな~」とか一応考えてみたんだけど、結局わかんなかったね。確かなのは彼女大事だなとかさ。ジョン・レノンの最後のアルバムもヨーコ讃歌だし、やっぱ人生愛だなとか思ってたけど…。そのアルバムに「Beautiful Boy」っていう息子に宛てた歌があって、ジョンが言うには、「Life is What happens While you are busy making other plans」(「人生ってのは、お前が何か他のことで忙しくしてるうちに過ぎていっちまうんだゼ」みたいな意味だと思う)だとさ

 何かで読んだんだけど、筋肉少女帯の人が陽水のファンで、初めて本人に会った時に訊いたんだって。「陽水さん、最近大人のロマンスみたいな歌ばっかり唄ってますけど、昔にくらべて日和ったんじゃないですか?」そしたら陽水、「君も僕くらいの年になったらわかるよ、ふふ」だって。ナイスだなア。そういえば「探しものは何ですか」っていう唄もあったね。「探すのをやめたとき、見つかることもよくある話で」とかさ。そのあとが「踊りましょう!」だからな、最高だなこの唄!

 「ニュ-シネマパラダイス」でさ、少年が町を出ていくときにおじさんが言うだろ「自分のすることを愛せ」って。あれがすべてなんじゃないかと思うな。自分の道が自然と決まってしまうくらい何かを愛せれば問題ないわけだ。でもそういう幸せな人はそう多くはないわけで、その他大勢は休みにゴルフのクラブを振っていると、そういうことなんじゃないか?別にそれが悪いとも思わないけど

 ちなみに、私の夢のひとつは「孫娘にもてる偏屈じいさん」になることだ

 以前は儚さや繊細さをヨシとしてたけど、今は敢えて「弱い鋭さ」より「鈍いたくましさ」をとりたいな。清濁併せ飲むとかさ。「ハゲおやじのように」っていうのがこっちに来るときのテーマだから。うちの田舎にいてね、嫌なハゲおやじが。つまんないこと言っちゃPTA通じて子供悩ましてさ(会長だった!)、おまけに飯時に限ってうちに来ては長居をするっていう、もうほんとにヤな奴。自分は家を出ちゃったからしばらく忘れてたけど、当たり前だけどその人いなくなったわけじゃなくているんだよね、そこにそのまま。やっぱそれくらいシタタカにならなくてはなと。別にそのオヤジが意識的にしたたかなわけでもないだろうけどさ

 ここ数年「一年一行動」とかいってさ、いろいろやってるうちにここまで来ちゃったけど、「いいんじゃない」って感じだな。私基本的に生きること肯定してるからさ。何でもアリだから。神経質なくせに大雑把っていうのがAB型だし

 手紙が届いた夜、うちのじいさんが車にはねられたという知らせが来て、その後友達が離婚したと電話をかけてきた。ほんとにいろいろあるなあと思って…

 でも、「いっしょにしないでよね」かもしんないけど、おれはここにいるぞ!!

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