(詩)四季

春、五月の或る日
わたしはこの地上に
やって来たらしい

その日晴れていたか
雨が降っていたか
それを知る人は
もうだあれもいません

降っても晴れても
わたしという命に
変わりはない
わたしという人生は
よろこびとかなしみに満ちて
無我夢中で生きた

そんなわたしにも
やがてこの地上から
去りゆく時はやって来る

わたしの最後の日
それでもやっぱり
わたしは最後の日にも
詩を書き
歌を唄うだろう

一番最後の
ひと鼓動、ひと呼吸の
その瞬間にも
わたしは
わたしという
命が燃え尽きる時

そしてそれはいつだろう
めぐる四季
移りゆく季節の中で
回る季節の回転木馬の中で

春夏秋冬
わたしの死を
受け止めてくれるのは

春夏秋冬
やさしく
わたしの命の終わりを
受け止めてくれる
四季よ季節よ

わたしの一番最後の歌は
あなたに捧げよう
わたしの一番最後の
ひと鼓動、ひと呼吸を
受け止めてくれる

あなたのために
わたしは唄おう

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