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(詩)雪のにおい、雪の音

背中にとけた雪の一片を
猫が気付かないでいる
ふっと冷たく思ったろうか
雪とも知らずに

野良猫の夢の中にも
降るといい
ダンボールの家にも
積もればいい

夢から醒めた小猫が
雪のにおいを嗅いでいる
くんくんくんくん
この物体は一体何だ

夜明け前に
夢から醒めた野良猫が
耳を澄まして
聴いている雪の音

いとしかった人の足音
思い出すように、聴いている

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