青大井空
詩の倉庫と化してます。多分1、000個位はいくかと。
詩の数が多いので、厳選しました。っても多い?
小説と童話です。 赤字のnoteに貢献すべく、有料にしました(多分貢献度0でしょうけど)。
雑記など。
コロナとの戦いでなくコロナ騒動を起こした連中との戦い。併せてロシア・ウクライナ間にみられるプロパガンダ並びに戦争屋との戦い。
43章の連載です。よかったらお付き合いください。どの章も長文なので、時間のある時にお読み下さい。 (あらすじ)#アインシュタイン #リトルボーイ #マンハッタン計画 …
(二十三)Tokyo 目を開けると列車は地上に戻っていた。空は夕闇に包まれ外の景色はもう薄暗かった。建物はなく地平線だけが何処までも続いている。列車はレールの上をひた…
(二十二)1945年駅 「ご安心下さい。この列車は水の中でも平気ですから」 車掌が現われた。 「何?」 けれど車掌の言う通りだった。列車は川の中に沈んでいるのに不…
(二十一)黄昏 車掌が通りかかったので声をかけた。 「だいぶ涼しくなったね。夏も終わりかね?」 「もう秋でございますから」 「秋?」 驚いたわたしを置いて車掌はさ…
(二十)夕映え駅 わたしは我に返った。列車はすでに海岸線を離れもう海は見えなかった。 わたしは滝のような汗をかいていた。その時車掌の声がした。 「次は夕映え駅。…
(十九)戦場 雨が止むと暑さが増した。いつこんな所まで来たのか遠くに海が見えた。 美しい島々が見えた。青い海、空には入道雲が広がっている。島の緑、白い砂浜、照り…
雨が降り出すと 街は海になる 浅瀬の海 透き通った雨粒の海が 街中へと広がってゆく パラソルは船 色とりどりの船が行き交う 信号はハーバーライト 雨粒は 寄せ返す波の飛…
(十八)tsuyu 激しい雨が降った。そのせいで暑さは少し和らいだのだが。雨に混じって遠くから爆発音が聴こえた。 またか? 今度はどこだ? 確か前に爆発音を聴いた…
母の日には 部屋の窓辺に 赤いカーネーションの 一輪挿しを飾り 窓を開け 風に吹かれよう カーネーションが 五月の風に揺れ あたかも おかあさん、 あなたがわたしに 笑…
(十七)サンタクロース ドスン。 突然列車が止まった。車掌が現われ急いで外へ出た。 「どうしたのかね?」 わたしも後に続いた。外は豪雪。吹雪の中を列車の先頭まで…
カーネーションに 蝶がとまっている 今日が母の日だと 知っているのかな カーネーションは 笑っている カーネーションが お母さんみたいに
(十六)ロスアラモス 列車は街を抜け、街を抜けると突然雪が止み春の山並みが見えた。確かに春だ!色鮮やかな山の緑が続く。列車は山の中へと入ってゆく。 山。 日が…
世の中にはね 幸福になってしまうことで ひとりでいる時の さびしさを忘れてしまうよりは ずっとひとりでいることを 選ぶ人もいるんだよ 世の中は不思議なもので そんな人…
五月 すべてが五月 きみは何に 五月を感じる? ううんとね 木洩れ陽、風、緑のささやき……。 ぼくはね ぼくは、きみ きみの泣きそうな笑い顔 五月 すべてが五月だった…
(十五)スノーマン シートに戻った。絶え間なく雪は降り続いた。いくつもの昼と夜が流れた。窓の外はまっ白で他には何も見えなかった。遠く何処からか爆発音が聴こえた。…
(十四)聖夜 受話器を置いて列車の窓を見た。雪はもう街の家々の屋根に積もっていた。 「メリークリスマス!」 街の通りを子どもたちが嬉しそうに駆けてゆく。その後を…
2024年4月24日 23:11
43章の連載です。よかったらお付き合いください。どの章も長文なので、時間のある時にお読み下さい。(あらすじ)#アインシュタイン #リトルボーイ #マンハッタン計画 #原爆 #ヒロシマ #昭和天皇 #尾瀬 #創作大賞2024 #ミステリー小説部門 《本文》(エピグラフ) That we are is the certainty that, we have been and will be.(
2024年5月16日 17:58
(二十三)Tokyo 目を開けると列車は地上に戻っていた。空は夕闇に包まれ外の景色はもう薄暗かった。建物はなく地平線だけが何処までも続いている。列車はレールの上をひたすら走り続けた。 しばらくして物音に気付いた。空だ。急いで空を見上げると何かが飛んでいる。何だろう?よく見るとそれは戦闘機だった。夕闇の中に無数の戦闘機が飛んでいる。きれいに整列して次から次へと編隊を組んだ戦闘機の集団が現れては空
2024年5月15日 18:50
(二十二)1945年駅「ご安心下さい。この列車は水の中でも平気ですから」 車掌が現われた。「何?」 けれど車掌の言う通りだった。列車は川の中に沈んでいるのに不思議と水は浸入して来なかった。恐る恐る窓の外を眺めた。列車はゆっくりゆっくり沈んでゆき、やがて川底に到着すると止まった。外はまっ暗で何も見えない。時より魚がガラス窓に当り驚いたように逃げていったがそれ以外は静かだった。しーんと静まり返
2024年5月14日 18:46
(二十一)黄昏 車掌が通りかかったので声をかけた。「だいぶ涼しくなったね。夏も終わりかね?」「もう秋でございますから」「秋?」 驚いたわたしを置いて車掌はさっさと歩き去った。窓を見た。すると確かに木々の葉が色づき街の景色はもう秋の佇まいだった。列車はいつか川沿いを走っていた。川の向こう側にビルが建ち並んでいる。随分都会のようだが。もう夕暮れのラッシュ時なのか人の波が慌ただしく行き交ってい
2024年5月13日 19:33
(二十)夕映え駅 わたしは我に返った。列車はすでに海岸線を離れもう海は見えなかった。 わたしは滝のような汗をかいていた。その時車掌の声がした。「次は夕映え駅。お降り遅れのないよう、お気を付け願います」 夕映え駅? 走り続ける列車の窓から空を見上げた。夏の夕映えが広がっていた。地平線の彼方に小さな駅が見える。あれが夕映え駅か。列車はゆっくりと駅に到着した。駅舎もホームの看板や線路もみな夕
2024年5月12日 18:01
(十九)戦場 雨が止むと暑さが増した。いつこんな所まで来たのか遠くに海が見えた。 美しい島々が見えた。青い海、空には入道雲が広がっている。島の緑、白い砂浜、照りつける夏の日差し。けれど爆発音は聴こえ続けた。その美しい島々が爆発で燃えていた。「あそこも戦場なのか?あの場所でも戦争を」 と問いかけて車掌がいないことを思い出し止めた。 ここは何処だ?あの島々は何という島だろう? 列車が海岸線
2024年5月12日 18:00
雨が降り出すと街は海になる浅瀬の海透き通った雨粒の海が街中へと広がってゆくパラソルは船色とりどりの船が行き交う信号はハーバーライト雨粒は寄せ返す波の飛沫(しぶき)雨音は潮騒雀も鳩もカラスもみんな海鳥宛もなくさびしげな舟唄を口遊みながらわたしの船はこの海の中きみの港まで辿り着けるかな?雨を待って今日は雨を待って出掛けようパラソルの波に揉まれながらゆっく
2024年5月11日 18:00
(十八)tsuyu 激しい雨が降った。そのせいで暑さは少し和らいだのだが。雨に混じって遠くから爆発音が聴こえた。 またか? 今度はどこだ? 確か前に爆発音を聴いた時そこはスターリングラードで、ドイツが敗北した場所。 今度はどこが戦場なのだ?「激しい雨ですね」 突然声が。驚いて振り向くと車掌だった。「何だ、きみかね」 わたしは安堵したようにため息を吐いた。「雨もだが、きみ。あの
2024年5月11日 17:59
母の日には部屋の窓辺に赤いカーネーションの一輪挿しを飾り窓を開け風に吹かれようカーネーションが五月の風に揺れあたかもおかあさん、あなたがわたしに笑い掛けてくれているかのようにこの星の大地に、海にそして夜になれば遠い銀河の中に今はもう眠るあなたのために今は夢見る少女のように眠るあなたがくすくすっとわたしに笑い掛けてくれるように五月の窓辺に一
2024年5月10日 22:23
(十七)サンタクロース ドスン。 突然列車が止まった。車掌が現われ急いで外へ出た。「どうしたのかね?」 わたしも後に続いた。外は豪雪。吹雪の中を列車の先頭まで辿り着いた。まっ白な車掌の背中が立ち尽くしている。「どうした?」 問いかけながら前を見ると線路に雪が!なんと列車の高さまで降り積もっていた。列車はその雪に衝突して止まったのだ。「すごい雪だね、どうするのだ?」 尋ねてはみたが車
2024年5月10日 22:21
カーネーションに蝶がとまっている今日が母の日だと知っているのかなカーネーションは笑っているカーネーションがお母さんみたいに
2024年5月9日 18:31
(十六)ロスアラモス 列車は街を抜け、街を抜けると突然雪が止み春の山並みが見えた。確かに春だ!色鮮やかな山の緑が続く。列車は山の中へと入ってゆく。 山。 日が沈みすぐにあたりはまっ暗になった。列車はどんどん山奥へと。 もしかして、ここは? 確かに見覚えのある景色だった。確かここは?そうだ、ここはせみしぐれ駅の後に入っていった山の中だ。 どうしてまた同じ場所へ? そう思う間もなく列車
2024年5月9日 18:29
世の中にはね幸福になってしまうことでひとりでいる時のさびしさを忘れてしまうよりはずっとひとりでいることを選ぶ人もいるんだよ世の中は不思議なものでそんな人にもそんな人なりのよろこびは訪れるものらしいだからこの世界に生きる誰かのさびしさや苦しさがわからなくなってしまうというのなら幸福と呼ばれるものもあんがいそんなにいいことでもなさそうだもしも幸福になる順番が
2024年5月8日 21:14
五月すべてが五月きみは何に五月を感じる?ううんとね木洩れ陽、風、緑のささやき……。ぼくはねぼくは、きみきみの泣きそうな笑い顔五月すべてが五月だったきみといた五月
2024年5月8日 21:09
(十五)スノーマン シートに戻った。絶え間なく雪は降り続いた。いくつもの昼と夜が流れた。窓の外はまっ白で他には何も見えなかった。遠く何処からか爆発音が聴こえた。戦争はまだ続いているのだ。いつになったら終わるのだろう?ふと雪景色の中に何かが見えた。何だろう?吹雪の中にぽつりぽつりと黒い影。 戦車だ。ああ、今あそこで戦争をしているのだ。 兵士に抵抗する市民の姿が見えた。飢えと寒さと疲労に倒れる
2024年5月7日 18:12
(十四)聖夜 受話器を置いて列車の窓を見た。雪はもう街の家々の屋根に積もっていた。「メリークリスマス!」 街の通りを子どもたちが嬉しそうに駆けてゆく。その後を白い子犬が尻尾を振りながら追いかける。その息がまた白い。その息の白さが何ともいとおしい程に白いのだ。気が付くと電話ボックスは消えていた。「メリークリスマス!」 わたしは初めて教会で聖夜を迎えた晩のことを再び思い出した。わたしはその