映画「花腐し」感想(ネタバレ)

ビジュがいい…。


とりあえずそれだけ言い残したい。

…と、上映中何度も思った。観ろよ、ストーリーを感じろ。

抗えないくらいビジュがいい…。


最初、ビジュが発表されたときもちょっと怖いなと思ってたけど、ほぼほぼ美を楽しむ時間だった。ときどき激烈に怖い。

栩谷のあの、ちょっと神経質なところが出てる瞬きとか目付き、目の動きが、ちょっとすると怖いくらいなのだが、それは綾野剛のビジュアルで包み込まれてしまう。

自称綾野剛ファンとしてはまずこれだね。

怖いけど魅せられて見ちゃう、みたいな。

伊関の部屋に行ったときとか最高。


次はね、ラストシーンの宝石のような涙と瞳を一瞬で上書きしていったデュエットシーンね。エンドクレジットですけどね。

な、なあにあれ??

栩谷は本編最初の台詞が、ハードな状況下での自己紹介なんですけど、

え?君、綾野剛だよね?綾野剛の声帯から出てきてる声だよね??

ってくらい、生気も覇気もない、ぼそぼそ~っとした喋りなんだよ。話すぞ、と期待してたらぎょっとしそうな感じ。

40越えた男の声じゃなかろうって思うくらい。

そんなぼそぼそしゃべりの、平熱低めの、笑っても、ふっ、ふふっ…って肩を震わすタイプの人が、煽られても大きな声出さない人が、歌えるんか???って思うじゃないですか。

声量という言葉知っとるかい、君。

あんな…腹から声出すと思わんじゃんね。(ちょっと仲村トオルがよぎった。なんでだ?前髪か??)

もう、円盤になったら100回見る。嘘、とりあえず10回繰り返し見る。

ていうか、舞台挨拶つきの上映、私一日に二回見たから正直二回目はどろんしてもよかったんだけど(いや、よかないんだけど)、帰りの電車の時間が危ういなか、最後の最後まで見ちゃったもんね。だって栩谷が歌うとこ見たいもん!!!歌うの!?って言われて無言で横にマイク持って待機するの見たいもん…。

ワンオクターブ飛び越えて歌うとこ見たいもん!ちょっと入りが早まって息二回吸うとこ見たいもん!!!だんだん口おっきく開けて歌って、祥子もにこにこしてるとこ見たいもん!!!

祥子ぉ…栩谷なんかそのへんにほかっといたらよかったのによお…。


初回で唯一涙腺を刺激されたのが祥子が実家に行くと言って出ていったシーンで、祥子はそっちを見てない栩谷に向かって、笑顔で手を振ってるんですよね。

暗い室内が祥子が開けた扉から入った光でぱあっと明るくなり、その光のなかで手を振る祥子が、しまる扉の間から見え、あっという間に消える。

このシーンでぶわっと。祥子はさよならしてたんだな、と。


桑山がねえ、よくわからないんだけど、最初に祥子を連れてきた雨の日に、桑山も右肩がびっしょり濡れてるんですよね。祥子はGジャンがまったく濡れてないのに。濡らさないようにしてたんだろうなあ。思ってはいたんだろうなあと思うけど、そこまで積極的な思いでもなかったんでは?くらいの感じですよね。六年間…。いや、優しかったのか…奪うとかなくて、思い続けてたのか、桑山…。

お金で祥子の女優としての夢を叶えてあげたいと思っていたけれど、祥子にその気はもうなかったのかな。望まれるままに付き合ったのかなあ…(無理じゃね?とか思ってすまん)


二回目の伊関宅来訪からの性描写シーンは何の意図なんだろうな。情けなさとか?エロいな~とか思いながら見たけど…(笑)伊関ちゃんは完全におもちゃですけど。

ごろんって、力尽きて寝た栩谷が可愛かったのに…。襲われるなら伊関に、のルートもありなのに…(ないです)

リンリンがみつきちゃんに似てんな…と思ったあたりからどう見たらいいのか…困惑しきり。おっぱいおっきいな!お椀型だし。


ラストシーンのあたりは謎で…どう解釈したらいいのかわからない。

最初に伊関の部屋を訪れたとき、栩谷は下駄を突っ掛けてるんだけど、二回目は突然室内だったから、下駄の所在がわからない。(履いて帰ってたのに現れた祥子を追うときには裸足でした)

帰るときも裸足なのはほんとに下駄がないのか?それともあの下駄を引きずる音響効果のあたり??

初回にじっとみつめていた踊り場の鏡を、再び見つめる栩谷の背後から、どう考えてもこの世のものとは思えぬ祥子がやってきて、目を合わせながら通りすぎる。普段の祥子は着なさそうな真っ白の裾が床に着くくらい長いワンピース。伊関の部屋に入っていく。

数瞬遅れて追いかける栩谷。少しためらってから扉を開けると、なかを見て動きが止まり、瞬きもできないくらい。不意に涙がこぼれて瞬きをする。

で、終わってしまうのですが…


この前のシーンも意味深で、リンリンに襲われた栩谷はリンリンに乗っかって果てたあと、最中のリンリンの台詞をとらまえて、一緒に死のう、って言うんですよね。祥子と同じことをしてやろう、とでも思ったのかな。おじさん何言ってるの、さっき死んだばっかでしょ、は割りと好きな台詞。

そのあとに目覚めたとき、(この時うつ伏せの全裸。四回から五回くらいgoのお尻が見えるとかすごい映画だね)一人きりなんですよね。マジックマッシュルームの部屋は、きのこはあるものの、ベッドもきれいで、リンリンが引っ張って外してしまった壁掛けの布も元通り。あ、机の上はどうだったかな…。(きれいでした)

金魚は変わらずそこにいて、ちょんちょんとちょっかいをかけた栩谷の指がマウスにあたり、パソコンの画面が明るくなる。そこには「花腐し」の文字。今までの回想や会話がすべて記されていて…


夢やん?

これもう夢やんな??


じゃなかったら何だと…伊関の見せた幻覚か…??マジック…マッシュルーム…??



(考えることを放棄しました)

栩谷のビジュが~好きなんだ~。ほんとに全部好きなんだよな~。

過去パートは髪がつるんとしててかわいいし、現在パートも(更に)くたびれてて可愛いし


なにより!!!

喫煙シーンの山で、あの美しい指先がめちゃくちゃ堪能できる!!!

何本吸ってる?


祥子にもきれいな指でとか言われててすげえ。みんな認めるじゃん。監督、手タレさせられたことない??

指もだけど手全体の造形が最高じゃない?

よく言われてるけど親指のところのかくっとなってるとこ最高だよね。

煙草の灰を落とす仕草がさ~ライターで火をつけるのがさ~。



舞台挨拶の司会の方が、祥子の本棚の話しになって、主体的に生きた人なんだなって思います、って話されていて、あんまりしっくりこなかった。わからなかった…。

主体的かどうか、とパートナー?交際してる人がどうかはあんまり関係ないってことかな。

割りと振り回されている方かなあとも思うけど、女優になりたい芝居をしたいっていう思いのままに進んできたのは、…主体的なのか、そうか…。子どものこともこうしたいって思いがしっかりあったもんな。

一人で決められないところでことごとく絡めとられた人生だったのかな。


あと、栩谷、ザリガニ入ってた虫かご捨ててんじゃん。豆腐のパックが資源ごみどころの話じゃねーな。


あの映画制作会社の人にたいして、「姉さん」といってるのはそれだけ近しい関係、という意味かなあ。そして転がり込んで…会社は畳んだのか…。


確かにあの雨は不思議だった。お天気雨なのか、空は明るくて、雨が降っているところも日が差してる。

雨の降り始めのやつなのかな?と思ったけど、他の方がふせったーで呟いていた、伊関がシナリオの中の存在だとしたら…

そうしたら、伊関の方がことごとくちょっとずつ栩谷より最低なのも納得がいくかも。あ◯◯◯◯ぷものの流れ、マジで最悪だからな?

その後の栩谷と祥子のはエロかったけど…芝居うまいじゃん、ておいおいおい…歯あ、食いしばれ、栩谷。

あと全編通して避妊をしろ、のメッセージを届けたい…。(望まないのであれば)


綾野剛の全裸がさ…

雨に濡れて一緒にシャワー浴びてる尻。

エッチシーンの脚。肋の浮く脇腹。

風呂上がりのタオルドライの尻。

襲われて乗っかられてる生足。

全裸起床。

いや、どれもきれいなんだよなあ?場所がなんにせよホテルとか祥子の家とかなのはまあ綺麗に映っても、場も綺麗だしな?と思うんだけど、最後の二つは伊関の部屋でまあまあぼろいし、立ち姿だと(そういう姿勢にしてるんだけど)背が丸くてお腹がぼこんと出てて、あんまり、なんだけど…

肌が艶やかなんだよ…!!!ぼろい畳の上にうつ伏せの全裸が光ってるの…まばゆく…。肋の浮き具合も美しくてな…。


今回もまさかのシャツ脱ぎシーンがあり、今回は更に脱ぎきれないシャツを歯を使って攻略する(言い方がエロくねえ…)とこまであり、はわあ!はわ、はわわ…でした。しかし相手が相手だった。一回目はそっちにどびっくりしててショート状態。



好きなシーンはいっぱいあったんだけど、公開前から出ていた映像でもあるシナリオライターに祥子が酒ぶっかけるシーン。あのあとぶっかけられたおじさんがメガネ外して、ふあ??みたいな声だして栩谷を観てるとこで笑いがこらえられない。回りも笑ってた。栩谷におとなしく拭かれている。栩谷も躊躇いがない。とりあえず拭く。よく見ると先生、拭かれながら笑っとるのよ。

あの一連のシーンは栩谷の苦渋と当惑と狼狽と焦りがあって、バラエティーパックになってて大好き。煙に目をしばしばさせるのがいろっぺえ。祥子の喧嘩ッ速さは他ではそんなに感じなかったけど、若かったから、みたいなもんなのかな。

iさんが言ってる初日に栩谷に恋したシーンはこれだと思うけど、すごくわかるわー。

あと、動じないけど、内面はすごく動いてるのがわかるのもすごいわ。


祥子の口がVの字みたいになってうずうずしてるとこ可愛い。


はめどりされてるときのアングル…何かで既視感があるだけど…思い出せない。目覚めるときの快楽にうめく感じ、あの口許とか、顎が上がる、くいしばる動きがめちゃくちゃエロい。

あと全編栩谷の腰使いが普段の生命力低そうな成りとリンクしてなくて、う~~~わあ~~~~そうきますかあ~~~ってなる。まあ40歳?41歳?だもんな。脂のってるとかいうやつだもんな。


初見はいろんなシーンで体に、主に手にすごい力が入ってて痺れたりしてた。二回目からはある程度予測が着くから、まだ気持ちが楽。でも初見は一回しかない。愛おしいねえ。


オーブントースターのことで不満を口にくる栩谷の怒りに(トースターではなく祥子の不貞に)震える声がたまらん。それでも大声は出さない。


祥子の家から出て行く前に家の窓を開けて裏手の墓場を見ながら煙草を吸ってる場面があるんだけど、ちょっとパッと見ヤクザと家族 The Familyのけんじっぽいんだよね。アウターがそれっぽかった。あのくたびれた感じは共通してるね、見た目が栩谷だけどね。


その後のシーン、ずっと祥子の服を実家に送ってあげようとしているのかと思ったけど、両親はあそこにもうだれもいないと思ってるんだよね。三回目でようやく栩谷が自分の持ち物を取り出してるんだと気付いた。(手前の後から来たっぽい安っぽい引き出しが栩谷用なんだろうな)そしてこのときは真冬なのもあってか、ブーツなんだよね。


駅に傘を置いてきたのはなんでなのかな。


綾野剛のア◯◯◯◯◯スの解像度が上がってしまった…。


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