記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

鑑賞録 #31 「ハズビン・ホテルへようこそ シーズン1 フィナーレ 第8話:The Show Must Go On」

TMDB

シーズン・フィナーレとなるこの回だが、個人的には、

  • アダムの強さ/アラスターの弱さ/ルシファーの強さ

  • 罪人が地獄→天国となることが可能と判明

  • リリスの現状

上記3点が収穫だった。


強キャラの序列

アラスターの「弱さ」なんて書き方をしたが、基本的に彼の強い部分しか見てこなかったので「補正された」という感触である。

ルシファーが強いという点に関しては1x5でアラスターをフライパンの上に置いていた(曲中の表現とはいえアラスターより弱いやつにできる芸当ではない)あたりで示唆されていたが、

少なくとも1x8の戦闘シーンにおける戦闘力の序列が
アラスター<<<アダム<<<<<<<<ルシファー
くらいの感じだったのが面白い。

たしかにアラスターの無双っぷりというのはオーバーロード(上級悪魔)を虐殺して現在の地位に就いたというエピソードや、ミムジーを追ってやってきたローンシャークたちや敵対していた頃のサー・ペンシャスのような格下に対する圧倒的強者の佇まいから読み取れていたものであって、天国と地獄全体の中でどの程度かというのを正確に捉えきれていなかった。

地区予選免除、県大会でもシード、地方大会でも上位、全国でもそこそこ戦える、しかし世界戦になると上には上が……くらいの実力だろうか。

よく引用しているヒエラルキー表と照らしても妥当なところだと思う。

reddit

ていうことはアラスターよりもストラスの方が強い可能性高いの……?
だとしたらストラスかっこよすぎ……

アラスターもアダムもルシファーも「自分より強い相手とやりあう」なんていう経験がほぼないまま生きてきたのだろうが、ルシファーにこそおもちゃにされたていたとはいえアダムがめちゃくちゃ強かったのが大変好印象だった。

口喧嘩ではボロ負けしていたアダムだが、ホテル内最強、オーバーロード内でも一目置かれているという位置付けだったアラスターが戦闘力では大敗を喫したという点ではさすが腐っても「アダム」なのかもしれない。

普段はただのアホなのにやろうと思えばしっかり強いだなんてすごく魅力的だ。

ルシファーにHPを削られに削られたあとニフティに惨殺されていたが、サー・ペンシャスもアダムに殺され、加えてアダムも死んだという時点で私が思っていたのは「えっ、アレックス・ブライトマン降板?!!?!?」である。

初見時はアダムを嬉々として滅多刺しにするニフティを見て「かわいい〜〜〜」などと思っていたが、アレックスのファンとなった今では彼の演じるキャラクターを見られない方が寂しいみたいな気持ちになってしまう。

ラストでサー・ペンシャスが天国の一員となり蘇っていたのでどうやら降板ではないようだが、アダムも死んだことだし罪人として地獄で復活させてくれないだろうか?

性格的に地獄の方があってるよアダム。
それにアダムがいなくなってしまうのは本当に惜しい……



キャラ同士の関係性

エンジェル・ダストがよすぎる。
下ネタキャラは健在のまま聖母のような包容力を獲得したために非常に魅力が増している。

更生したせいでただの真面目ちゃんになってしまうとつまらないだろうが、ぶっ飛び部分はそのままに本来の優しさが表出した感じだろうか。

ハスクとの友情の芽生えにより「ダメなままでいい」「自分を否定せずに受け入れよう」という基底がつくられ、つらいことを分かち合える相手がいるという安心感も生まれ、心が安定することによって柔和になり他者を思いやる余裕が生まれたのかもしれない。

エンジェル、ハスク、サー・ペンシャスの間に生じた友情を垣間見られるシーンがあるととても気持ちがあたたかくなる。

また、敵対していたサー・ペンシャスとチェリー・ボムの関係もどんどん変化して、1x6ではペンシャスの全然うまくいかない恋路を見守る楽しさがあったし、1x8ではとうとう一歩前進した。

その直後にアダムに跡形もなく消されてしまったのでしばらくお預けなのかもしれないが、くっつくかどうかは別としてペンシャスがチェリー・ボムに振り向いてもらおうと奮闘するとても姿が愛らしいので、引き続き描写していっていただきたい。


エンジェル・ダストの親類たち

1x6で出てきたモリーはAmazon版を正史とした時に非公式でありつつもエンジェルの双子として扱われているし、1x8で後ろ姿がみられたキャラ(画像中央下)も同じようにエンジェルの兄とされているキャラにそっくり。

HH 1x8

2015年にVivのチャンネルでリリースされた動画ではエンジェルによって"My brother Harold"と言及され、エンジェルの父と共に着席している様子が描かれているが、

現在は"Arackniss"という名称になっているようだ。

MollyとAracknissの登場が「昔作ったキャラをちょい出ししてみたよ!イースターエッグだよ!」的な扱いなのか、今後多少はメインキャラとの絡みがあることの前振りなのかは不明だが、家族の再登場によってエンジェルが出突っ張りの回が作られるのであればぜひお願いしたい。



シーズン2以降

これまでと変わるのは、

  • ハズビン・ホテルの地獄への貢献事例ができたこと

  • ルシファーがかなり協力的になったこと

  • リリスの所在が明らかになったこと

  • エクソシストの責任者がアダムからリュートになったこと

  • 地獄から天国に行った罪人の前例ができたこと

あたりだろうか。


ホテルの貢献

ホテルの貢献は「Exterminationを退けた」「首謀者のアダムを殺害した」という大きなもので、ケイティ・キルジョイの報道により地獄の住人にもしっかり伝わっているだろう。

そうなると「ホテルに行ってみよう」と興味をもつ罪人が増えてホテルが大混雑するのか、あるいは「それとこれとは別だが話は聞くかも」程度なのかは分からないが、変化をもたらす要因としては十分だ。

アダムがホテルを倒壊させ、ルシファーの協力で巨大なホテルに再建されていたのでキャパは増えたと思うが、それなのに相変わらず閑古鳥が鳴くみたいな状態であっても本作らしいのでそれはそれで見てみたい。

ホテルが罪人たちを動かすことができるとなるとVeesがホテルを利用しにかかる可能性もあるし、Veesとの絡みが増えることは大歓迎だ。


地獄から天国に行った罪人の前例

この前例ができたことは朗報だが、ホテルの面々には伝わるのだろうか?

エミリーあたりが気を利かせて情報共有してくれることを期待したいが、仮に伝わったところで昇天に至るまでの経緯を整理して体系的にまとめたり仕組みを効率化するような人がホテル側にいない。

それに「整理する」といったってどんな条件で何がどうそれに当てはまって誰が「昇天OK」と判断しているかという天界側のプロセスが一切分からないのだから地獄側では実験を繰り返すしかないのではなかろうか。

サー・ペンシャスの場合だけを考慮すると「仲間のための自己犠牲の精神があり」「地獄での死を遂げる」あたりがキーだったように見える。

これを参考に地獄での行いをいい子ちゃん仕様にするだけではだめで、利他精神のもとに地獄での死を迎える必要があるという仮説を立てて検証し、それが違ったら条件を変えてまた検証し……とやっていく必要があるが、被験できる個体が地獄では希少すぎて無理だ。

罪人が昇天した事例を天界側が承知していなかったことから「行いを正したら急に天国に来てしまった」みたいな事例がなかったのだと思うが、罪人がそのままエスカレーター式に天国の住人になるのではなく、素行が正された状態で一度死に(自己犠牲的なものに限らず寿命や病気などの死因も含む)、生まれ変わりで天国へというプロセスが必要になるとか?

ペンシャスは彼の人格やおおむねの外見を保ったまま天国入りを果たしているのでいわゆる「(魂を引き継いだ)生まれ変わり」ともまたちょっと違う……

それに地獄の住人って呵責されるために地獄にいるわけだから「寿命」とかないんじゃ?ってことはやはり何かしらの条件が整った上で殺される必要が???

わ、わからん。

本作の目的は「Exterminationで罪人たちが殺されることを止めること」で、なぜExterminationがあるかというと「地獄の人口増加による反乱を天界が懸念している」から。

では「増えたから殺す」ではなく「地獄の罪人たちを更生させ天国に人口を移動をさせよう」という思想だったと思うが、そこに「一旦死ぬ」を挟むとしたらだいぶハードルが上がっちゃう気がする。

いずれ詳しい条件が解明されてもっとシンプルあるいはもっと複雑だと分かるだろうが、ハズビン・ホテルではやや辻褄の合わないことがあったり役割優先で人格無視の脚本があったりと若干都合のいいように進めている部分があるので、大真面目に考えない方がいいかもしれない。


そのほか

リュートが責任者になったことやリリスとルシファーが今後どう絡んでくるのかは分からないが、私はとにかくアダムが地獄で復活してほしい。

地獄で復活したアダムに対してリュートがめちゃくちゃ冷たくなっても面白いし、逆にアダムが地獄にいるせいでExterminationできなくなるリュートも面白い。

そもそも地獄では罪人同士で平気で殺し合っている場面が多くみられたことから地獄にいれば好き放題罪人を殺して遊べる説がある。

アダム的には最初は嬉しいかもしれないがExtermination is Entertainment が日常的に可能となると逆につまらなくなって興味を失い、lust ringあたりで適当に地獄をエンジョイしだすかもしれない。



この記事が参加している募集

#アニメ感想文

12,230件