アオミネ

エッセイを書いてる人 / ブログ→https://aomine.blog

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マガジン

  • 掌編小説

    原稿用紙1枚分くらいの物語

  • 3行小説

    読者に余白を委ねる物語群。

  • 価値観

    「〜について」というタイトルのエッセイを集めました。

  • 日記

最近の記事

支払いは現金で

僕は彼女が人知れず既婚者であることを知っていた。しかし、それでも正直に言えば彼女のことが好きだった。 彼女はときどき薬指から指輪がなくなるらしい。それはどんなタイミングなのだろうと観察していたが、僕が見る限り薬指に指輪をしているところを見たことは一度もなかった。 彼女は仕事終わりが一緒になると、ご飯を奢ってくれた。彼女の行きつけの店に行くこともあれば、僕が美味しい店を紹介することもあった。 お金はいつも彼女が気前よく払ってくれた。どうして僕にそんなに良くしてくれるのか分

    • 理詰めで考える詩の作り方

      詩ってなに?どうやって書けばいいのかわかんない!!😭 こんな風にお悩みでありませんか? この記事では、理系の僕が考えた「さいきょうの詩のつくりかた」を紹介します。 ⏬今回の作品はこちら⏬ ステップ1:テーマを決める今回は長男くんが興味を持てそうな「宇宙」を選択。 ステップ2:詩の形式を決める今回は「4行詩×4セット」、3×3みたいな平方数が好み ステップ3:統一箇所を決める1行目の冒頭に「宇宙の〜」、末尾は「〜(連用形)」 2行目の末尾は終止形 3行目の末尾は

      • 宇宙

        宇宙の静寂に包まれ 星々が輝きを放つ 無限の闇の中に 夢と希望が踊る 宇宙の果てを目指して 銀河の中心に集う 星雲の彼方に 未知の世界が待つ 宇宙の神秘に触れ 心の奥底に響く 瞬く光の声に 過去の記憶が宿る 宇宙の謎に包まれ 探求者は旅立つ 星々の輝きを標に 未来の道を歩む

        • 青い空、白い雲

          Blueskyが招待制を廃止し、誰でも登録できるようになった。 初期のTwitterを思い出すともっぱらの噂だが、あいにく僕は数年前にTwitterを始めた古参の対極に位置するユーザーなので、そこのところ実はよく分かっていない。 有益情報やバズ狙いの投稿が氾濫していない、混じり気のないテキストコミュニケーションが飛び交い、これがかつてのTwitterか…と郷愁の憂いを感じるフリをしてみたりしている。 僕のアカウントを見てくれた人の中で勘がいい人はもうお気づきかもしれない

        支払いは現金で

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        • 掌編小説
          10本
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          5本
        • 価値観
          4本
        • 日記
          13本

        記事

          フェチについて語ろう

          「何フェチ?」と聞かれることは意外と多い。 正欲という本を読んでから、自分が何に興奮するのかは幾分か自覚的になったように思う。 僕の場合、それは声・匂い・眼鏡である。 アーティストの第一印象も声で決まる。 声が好き→歌が上手い→歌詞も良い アーティストに惹かれるのはこの順番。 外見で一目惚れしたことはないが、声に一目惚れすることは多い。 自分の好きな匂いを言語化することは意外と難しい。 中学のときの英語のTAがつけていたキャラメルみたいな甘い香水の匂いが無理、

          フェチについて語ろう

          最悪の結末

          今日の訃報は本当にショックだった。 他人の作品を歪める害虫を野放しにしてしまったばかりに起こった悲劇。 怒りの衝動にかられるまま、脚本家の顔と名前を調べた。 二度と忘れることはないだろう。 某氏が関わる全てのコンテンツに背を向けるために。 二度と人の作品で仕事をするな。

          生命の陸上進出と酸素濃度の関係性

          命題免責筆者はこのnoteの内容に対して、100%の正確性を保証していません。 結論「酸素ができたから」 理由酸素がない状態の地球、つまりオゾン層がない初期の地球は宇宙から降り注ぐ有害な紫外線にさらされていました。 光合成生物の出現によって酸素が大気中に放出され、地表面の酸素濃度が増加。 それに伴い、酸素と紫外線の光化学反応によってオゾンが生成され、やがて大気中のオゾン濃度が紫外線を十分に吸収できるようになりました。 また、生物が今のサイズに進化する過程でも、酸素は

          生命の陸上進出と酸素濃度の関係性

          帰り路

          今日という一日がもう終わろうとしている。 こんなに楽しかったのに、いや楽しかったからというべきか。 時間が経つのはあっという間だった。 人気のない通りを二人で並んでゆっくり歩く。 後ろから車のヘッドライトが二人の影をどこまでも遠くへ伸ばし、やがて抜き去っていった。 振り返ってみれば、これの繰り返し。何の話をしたかも思い出せない。 街灯の光が通り過ぎる車体に反射して、暗がりになれた目に飛び込んでくる。 めっちゃ眩しい。 思わず目を背けると、昔ながらの緑地の掲示板

          ガタンゴトン

          ポカポカとした陽気の昼下がり。 電車の駆動音だけが響く車内で、小気味よい振動が入眠を誘う。 いつも車内はこんなにガラガラなのだろうか。 同じ号車に乗ってる人の数もまばらで、片手で数えるほどしか乗っていない。 背後から差し込む日の光は、座席の赤いシート表面の規則的なパターンを鮮明に浮かびあがらせる。 縫い目のようなステッチのプリントが、半個周期で等間隔に配置されていた。 鉄道によって座席シートに使われる布地の色やデザインは微妙に異なるらしい。 マニアの手にかかれば

          ガタンゴトン

          流体力学モデルにおけるつぶあんとこしあんの非線形応答についての考察

          概要文献 [1] において, たこ焼きの半径上限に関する定式化が示された。本論文では, これらの予想を大胆に解釈し、あんぱんの中身の違いによる差異を定性的に評価することを試みる。検証の結果, 予想を裏切る結果が得られた. 1. 導入あんぱんは日本の中村屋というパン屋で育まれた非常にポピュラーな食文化であるが, 店頭で売られているあんぱんはおおよそ半径が 50[mm] から 150[mm] の球形となっていることが観察される. つぶあんとこしあんの2種類がよく知られ、この

          流体力学モデルにおけるつぶあんとこしあんの非線形応答についての考察

          この世界と繋ぎ留めてくれる鎖が欲しかった。 気を抜くと体ごと持っていかれそうな瞬間が不意に訪れる。 僕はその度に自分の心を強くこの世に押し当てるしかない。壊れないように優しくする余裕はもう無くなっていた。 人はよく「一時の気の迷い」といった言葉で表現するが、たとえ一瞬でも手放してしまったら取り戻せないものがある。 あてもなく外を歩いていると、昔遊んだ公園に見覚えのないブランコが揺れているのが目についた。 近くまで行ってみると、鎖は錆ひとつなく輝きを放っている。まだ新

          仄めかす主語

          何かを仄めかすように主語のない日本語を喋る奴が苦手だ。 文法的に主語の省略が可能だからって、日常会話に奥ゆかしさなど求めていない。 直情的なやり取りのセリフを主語なしで捲し立てられるのはたまったもんじゃない。類推するこっちの身にもなってほしい。 もちろん、その場で理解できるはずもなく。 あとから内容を反芻して前後関係から主語を特定する。 その作業はさながら国語の文章題を解かされている気分だ。 人生の悩みは大体人間関係から端を発するってマジだと思う。 ダルい。めん

          仄めかす主語

          スパイス中毒

          最近、友達に「スパイスの匂いがする」と言われた。 何の香水を付けてるの?みたいな会話の流れだった気がする。 何の気無しに言われた言葉がぐさりと刺さった。特に何も付けていなかった。 今朝飲んだチャイにスパイスを入れすぎた? それとも昨日食べたスパイスカレーのスパイスが抜けてない? シャワーを浴びたはずの体をこっそり自分で何度も確かめたが分からなかった。 インド人の体臭はスパイスの香りがするらしい。 でもそれは生まれてから食べ続けることで生み出される体臭だと思ってい

          スパイス中毒

          広島で食べて美味しかったものベスト3

          第3位:もみじ饅頭広島といえばやっぱりコレ。 定番のお土産が堂々の3位にランクイン。 特ににしき堂の生もみじ饅頭はうますぎてお土産としてはもちろん、自分用にも必ず買うベストバイアイテム。 ただ、あまりにも有名なので今回は前座として紹介。 第2位:レモンケーキ今年の春に広島に行って、初めて食べたものの中ではNo. 1。 レモンケーキは種類が意外と種類が多く、どれを買えばいいのかもみじ饅頭より選択が難しいのがネック。 そこでバラ売りしているものをたくさん買って味見した

          広島で食べて美味しかったものベスト3

          ルーティンの破れ

          季節の移り変わりは毎日の朝の準備の予定調和を不意に乱す。 朝シャワーを浴び、外に出ると髪がひんやり冷たい。水に濡れた体に震えが走る。着るつもりだった半袖シャツは肌寒かった。 半袖シャツを着続けるかどうか迷いが生じる。迷いは思考の時間を生み、一分一秒を争う朝の時間に無量空所が領域展開される。 ルーティンの乱れは生活に一瞬の隙を生み出す。 今日は一昨日もビールを飲んだのに今日も飲んでしまった。 これが良くなかった。食事の後、少しウトストしてしまって小一時間寝たあと、起き

          ルーティンの破れ

          ノギスの使い方

          「なんでノギスでサンドウィッチの厚み測ってるの?」 「ネコポスで送れるかどうか、確認したくて…」 「たぶん犬も食わないよ」

          ノギスの使い方