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「最高の普通」腕時計に込める一日への思い

今気に入っている時計がある。深い青緑色の文字盤の、チタンの時計。針が銀色で鋭くとがっている。

デザインはとてもシンプルで、特徴がないくらい。典型的な、昔からある腕時計のデザイン。製造したセイコーも、このシリーズを「最高の普通」と言っている。


いくつかある中でも、その時計をする日は、凛とした気持ちになる。
朝、「今日は緊張する場面もあるし、良い一日になるといいな」と思って、その時計をつける。

では、そんな気持ちにならない、別の時計をする日はどうでもいい?
いやいや違う、そんなことはない、と最近ちょっと考え直した。この時計の佇まいが、私には特別過ぎるだけだ。

どんな一日も、かけがえのない私の時間だから、大切に過ごしたいな。無為に過ごしていい日なんてないはず。もったいない。うん。

その時計をしなくても、今日も「最高の普通」の一日を過ごしたいと思う。


盲腸の退院から2ヵ月くらい経ったある日


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文:©青海 陽 2019

読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀