絶歌 酒鬼薔薇聖人事件 生命の手記


こんばんは。
越してきてからというもの
何をしたらいいのか分からず
本・アニメ・映画・等読み漁っている毎日です。

ほんの少しだけ愚痴らせてください・・・

明後日は金沢に来てから
初めての病院です。・・・・・
行きたくない・・・・・・・・
2日前くらいから胃痛がするほど嫌です。

病院って、お医者さんって
合う合わないありますよね、、
こうズバッと言われることだっ
たり否定的な発言をされると
(お医者さんがそんなつもりなくても)、
思考停止しちゃうんですよね


本当に嫌・・・嫌すぎてできる限り寝ています。笑


いや寝てるとね、
その間は考えなくて済むし、
どこも痛くないじゃないですか。

その空間になるべく居たい・・・


なんか代理人立てて欲しいくらい笑


そんなこと書いてるともっと嫌になりますね
止めます・・・




今回は
「絶歌 神戸連続児童殺傷事件 
酒鬼薔薇聖斗事件 生命の手記」
という本について。


この本に出会った日から


去年の秋くらいに下北に行った時、
たまたま見つけた古本屋さんで出会いました。
100円でした。普段漫画か小説しか
読まないんですが、
この本になんだか目を惹かれました。

真っ白な本に黒字で書かれた題名。作者。


白い本にこんなに“重み”を感じたのは

初めてかもしれません。



買ったはいいもののどうしても読む気になれず
ずっと本棚にいました。
普段読まないような本だったことも
あると思います。

でもなんだか開くのがこわかったです。
知らない人の手記。
でもこの事件は有名ですよね。“凶悪殺人”として。



“元少年A”という名前にもぞっとしました。
本を出版することってすごく立派なことだと
思うんです。それを目指して作家さんになる、
自分の名前を売り出す、知られていることが
ステータスにもなるのに、

名前を“出さない”ということが犯罪者であること
をリアルに表しているような。

読もう、と思ったのは金沢に来てからです。
本を読み終えて、次何読もうかな〜と
本を見ていた時に「今かも」って思いました。


深い理由はないんですけどね。
受け止める準備ができたのもあるし、他人の考え・心理を知ってみたいと思いました。



手にとってから


本を読む時、帯とかブックカバー外すんです。
変な体勢で読むから邪魔になるんですよね。
何気なくこの本も外しました。

また、ぞっとしました。

外すと、真っ黒だったんです。


これにはもう言葉を失いました。



一文目、帯にも書かれてるんですが
「1997年6月28日。僕は、僕ではなくなった。」
ここから始まるんです。
何の前触れもなく、家に警察が来ます。



読み始めた時から本の向こう側に彼が居ました。
怖くて、でも知りたくて震えながら読みました。



2部構成になっていて、
1部は少年院にいる頃まで、
2部は仮退院してからのお話でした。



酒鬼薔薇聖斗

わたしの個人的感想です。

まず、読んで思ったこと。罰することの難しさ。
少年法の存在。

彼は愛されていました。
両親に、祖母に、兄弟に、友達に。
これほどまでに愛されていた彼がどうして。


彼の述べている犯罪を犯してしまった理由は、
到底理解できませんでした。


心理学が好きで、人の考えた事、そう至った道筋を考えるのが好きなわたしですが、
どうしても結びつかないんですよね。
どこで大切なものを置いてきてしまったのか。


自分では愛されていないと思っていたようですが、異常なまでに暴力を振るってもなお接してくれる
友達・兄弟なんて普通居ないですよね。


そこに確かに彼を思っている人は居たのに。なぜ。



知りませんでした。
こんな凶悪事件を犯した人の事を
今も思っている人がいることを。



少年院にいる時、精神科医の前では
本音を言わなかった、と言っていましたが
そんなことを見分けられない精神科医が
いるんでしょうか。


プライドがものすごく高いように感じました。
突発的に暴力を振るってしまうのも、
自分では理由が分からないと書いていましたが
本当にそうなのかな、とか。

退院後も突発的に
職場の人を殴ってしまったこともあるようで、

それって“更生した”と言えるのかな、とか。



でも、客観的に、本当に離れたところから
この事件を加害者の言葉を知ったというのは
わたしにとって大きな経験になりました。


到底理解できない心理がそこにはあって、
どうやって償うのか、どう生きていくのか、



出版社・記者・被害者家族・世論


本を読んだ後はネットで調べます。
他の人がどう感じたのか、その後どうなったのか等・・・


この本は被害者家族には出版することを報告せずに出したらしいですね。すごく批判されていました。

そりゃそうですよね。
傷口に塩塗りたくってますよね。
彼が出版後に出した被害者家族への手紙は、
受け取りを拒否され、
本の回収を求めているそうです。


先ほども言いましたが、そりゃそうです。


もともと某大手出版社で出版される予定が、
被害者家族への説明、実名公表を拒否したために
一度流れたそうです。


何度でも言います。そりゃそうです。


そうなんです。少年法で守られていた彼は、
今も名前を変えて“少年法に”守られて
どこかで生きているんですよね。


実名公表については難しいところですよね。
もう少年じゃないから出すべき、とも思うし、
そうなったら彼はきっともうどこにも
暮らせないと思うから。


学生時代、
心理学の授業で少年法の実名公表について
学んだことがあります。なぜ、公表しないのか。


簡単に言うとその方が再犯率が低いから。


それってすごく大切なことですよね。社会的には。

でも被害者家族は納得できないんじゃないかと思います。
被害者は名前でますもんね。



すごくデリケートで難しい問題ですよね。


加害者と被害者・被害者家族と
何も知らない私たち。
この三方向の視点は交わることないんじゃないかと思います。

だけどね、一番関係ないのって
何も知らない私たちじゃないですか。
その私たちはどちらの方の味方にも敵にも
なっちゃいけないと思うんですよ。


嫌な言い方すれば口突っ込むなよって感じ。


私たちには酒鬼薔薇聖斗の当時の気持ちも、
心境の変化も置かれた状況も
本を通してしかわからない。

被害者家族の悲痛の叫びも心の傷も
他人のものでしかない。


きっとどちらの言い分も正しくて主観的で
自己防衛なんだと思うんです。



ただ、一つ言えるには、
わたしはこの本を読むことが出来てよかったと
思います。
同時に被害者家族の思いが書かれた本も
読むべきだと感じました。





余談ですが

作中に、別の犯罪者山地悠紀夫という人が
出てきました。

彼は調べたところイケメンで、
ファンもいるほどだそうです。
(たしかにイケメンでした)

彼は母親の命を奪い、少年院に行った後、
出所後に知らない姉妹の命までもを奪って
死刑となりました。


享年25。

そんな彼は、死刑の判決に上告することなく
受け入れたそうです。


判決が決定されて、あと何ヶ月、何年生きるのか
私は知りませんが、私が今思う事はただ一つ、
「私は生まれて来るべきではなかった」
ということです。
今回、前回の事件を起こす起こさないではなく、「生」そのものが、あるべきではなかった、
と思っております。
いろいろとご迷惑をお掛けして申し訳ございません。さようなら。
(池谷考司『死刑でいいです』)



わたしは死刑に反対です。
どんな悪人も人の子で、人権はあって、、

何より生きることの方が苦痛だと思うからです。


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