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アクリルと水彩【共感覚アートメモ】

「どんな色が見えるのか気になるから描いてみてよ」

友人にこんな風に言われ描き始めた私の共感覚アートは、デジタルアートからはじまった。

iPadを持っていなかったので、使っていなかったMacbookを売ってそのお金で購入した。ペンはApplepencilを買う余裕がなかったので3000円ほどの、スタイラスペン。

それが私の一番最初の筆とキャンバスになった。

最初は色を描くだけだったが、よりアーティスティックに表現の幅も広がっていった。なんとなくぼんやりと観ていた共感覚での色を意識して観るようになり、色の解像度が上がったのか毎日様々な色を観た。

特にその頃はうまくいかない恋をしていて、うまくいかない仕事に、不遇なことばかりおきる毎日で、手は心因性の腱鞘炎で痛んでいた。だからこそ様々な感情が沸き上がっていたのだろう、色やテクスチャが広がり絵に落とし込むことができた。手は痛んでも、色を描き続けることはやめなかった。

ひょんなことからリアルペイントにしてみないか、という話になり元画家の人に相談しながら画材を慎重に考えた。薄ぼんやり観える共感覚の色には透明水彩が一番表現としては適切だと、それを選んだ。

先日の舞台に出ることが決まってからは、アクリル絵の具を取り入れてよりアートらしさと鮮やかさを表現するようになった。

共感覚の色には透明水彩しかない!と最初は思っていたが、アクリルで描いてみるとそれはそれできちんと表現できることを知って「透明水彩」と「アクリル」のリアルペイントが私の中に加わった。

人の印象は今もぼんやりと観える。なので透明水彩で描いて額入れして渡すようにしている。

昨日、ある人に「いつもタグつけするときにオレンジ色にしてるんですけど、これ共感覚の色かもしれないです」となんとなく言うと「私オレンジすごく好きなんです!」と言われた。

そのあと会った人に「なんとなくピンクから水色、水色が強いです」と言うと、名刺を取り出して見せてくれた。水色だった。

昨日の二人がこの色を身につけているところを私は見たことがない。だけど、今までも人の印象から得られる色というのは「その人の大好きな色」になる。これがなぜかは私にもわからなくて、色を感じ取る際の周波数が何か答えを持っているのではないかと依然言われたが未だにわかっていない。

薄ぼんやりと観えるのは、人と会うことが多い社会だから脳が自然と抑えているのだろうか。感情は薄い時もあれば濃ゆい時もある。

不思議だなあ、私の脳はこの「色」を識別に使うことを好んだそうだからよっぽど色が好きなんだろう。そういえば保育園の頃の夢は「えかきさん」だったなぁ、などと思い出した。

なんだかつらつらと描いてしまったが今日はアクリルと水彩について描きたかったのだ。まあいいか。まとまりのないこんな文章の日もたまには。


山口葵

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