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タイピング日記017/ 記事の書き方 / 記者ハンドブック(共同通信社)



■記事の書き方■


【6要素と逆三角形】

 記事の大原則は「正確に、早く」だ。それに加え、難しい事象であっても「分かりやすく」「コンパクト」にまとめることが重要となる。

 その中心となるのは、いつ(WHEN)どこで(WHERE)だれが(WHO)なにを(WHAT)なぜ(WHY)どのように(HOW)の6要素(5W1H)」だ。

「5W1H」のどれが一番重要かは個々のニュースによって異なるし、どんな記事にも必ず6要素が含まれるというわけでもない。読者に伝えるべき点やその優先度を判断し、必要に応じて内容をかみ砕き、理解しやすく書くことが求められている。

 もう一つのWとなる、記事が読者に対して持つ意味・値打ち(WORTH)の判断も大切だ。

 記事では、結論を先に盛り込むなど、重要な要素から順に書いていく「逆三角形」の文体とするのが大前提となる。


【見出し、リード】

 見出しは、読者が最初に目にするもので、ニュースの看板であり、ニュースのダイジェストとなる。一本目で読者の目を引くとともに、基礎知識がなくても理解してもらえるようにし、忙しい読者ならば見出しだけ見れば済むような情報を盛り込む。簡潔な記事の極致とも言える。

 記事の重要性によって見出しの数は1〜5本となるが、可能であれば1本目の主見出しだけで、難しければ2本目の見出しと合わせて、何についてのニュースでポイントがどこかを伝えられるよう、キーワードを前に寄せる工夫をしたい。

 リードとは、重要な記事の第一段落にニュースの概要を記述したものだ。読者がリードだけを読んでも理解できるように工夫する必要がある。1面トップクラスの場合でも20行以内としたい。見出しの要素を盛り込むことも必要だ。

 リードに続けて、重要な事項の詳しい説明などを書き、ニュースの内容がより詳しく伝わるようにする。重複に注意したい。

 記事はその日の紙面の状況やニュースの内容によって新聞掲載時は短くされるケースも多い。逆三角形の文体とするだけでなく、できるだけ1段落、1節ごとに記述をまとめ、記事を短くしやすくするように心がける。拡大文字化などに伴い、掲載できる記事の量が減っている傾向にあり、全体をコンパクトにまとめることにも留意したい。


【文章について】

① 簡潔で濃密、平明な記事と的を射たビジュアルの併用は、紙面構成の両輪である。写真や図解、表、グラフの活用を、絶えず念頭に置いて執筆する。

② 送信記事は、1行11字組みを原則とする。本文の初めと改行のアタマは1字下げにする。

③ 記事はなるべく10行以内で改行し、やむを得ないときも15行を超えないようにする。文意により2、3行で改行してもよい。

④ 文は工夫してなるべく短くする。1文中に何もかも盛り込もうとすると、長くなって読みにくい。

⑤ かぎかっこなどの中の文章は改行しない。長くなるときは文章を二つに分けるなどの工夫をする。

⑥ 主語と述語の関係をはっきりさせる。特に両者の照応、一方の脱落に注意する。

⑦ 主語と述語はなるべく近づける。1文中にいくつもの主語、述語を盛り込むと分かりにくい。なるべく2文、3文に分ける。

⑧ 修飾語はあまり長くしない。形容詞、副詞は、その係る言葉のすぐ前にもってくる。

⑨ 曖昧な表現、分析中断、思考放棄の表現(「ということで」「いずれにしても」など)を避け、具体的で生き生きとした表現を工夫する。

⑩ 内容に応じて箇条書きの方法を取り入れ、視覚的にも読みやすくする。


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