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エンタメ版のマクガフィンの問題 / 20240430tue(398字)


マクガフィンは小説や映画などのフィクションにおけるプロット・デバイスの一つ。話を進めるために用られる作劇上の概念。

ヒッチコックのマクガフィンの定義はプロットの進展に必要であるものの観衆はさほど気に留めないオブジェクト(ネックレスや書類)。対してジョージ・ルーカスは「まるでヒーローと悪役の決闘シーンのように観客を虜にするものでなければならない」と語る。

ぼくはルーカス版「悪役:綿鍋銀次」を物語に登場させた。とはいえ、マクガフィンだ。綿鍋銀次が死ぬと物語は急速に力を失った。

ヒッチコック版マクガフィンは小道具。
ルーカス版マクガフィンは魅力的な悪役。
少年ジャンプ版は「主人公と対峙する悪」。となると「悪」は主人公の成長とともに拡大する。これは連載の問題だ。
村上春樹は小説「羊をめぐる冒険」にマクガフィン「鼠」「羊」を交互に登場させた。圧巻だった。

短歌:

マクガフィン
創作上の
唯のモノ
使いようでは
助演俳優


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