丸山健二塾第三回(文章をドラマチックに書く) 映像は有料
5770文字・15min
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◉前回丸山健二先生の改稿:
重油の匂いに溢れかえった浜。黒い波が寄せては返す。
カモメの代わりにカラスが群れている。
陽光が虚無を放っている。
風が踊り狂っている。
辺りには人っ子ひとりいない。
いや、誰かがいる。
娘だ。
そうではない、少女だ。
穢れた砂の上に横たわっている。
全裸だ。
僕はひざをつく。まじまじと顔をのぞき込む。知らず知らずくちびるに迫っている自分に気づく。
気配を察した少女は肩を小刻みに震わせる。
「寒いか」と訊