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好きだからその手を離した話


ふと考えたことがある

よく漫画やドラマで
好きな人を傷つけたくない悲しませたくないからお別れをするということ

私には付き合った人の中で忘れられない人がいる

夢を描く人で
夜の世界に夜の大人に飼われ生きていた私にはとてもそのキラキラした全ては怖かった

だからわざと嫌われることを沢山した
それでどうか嫌いになって欲しかった

「なんでそんなことするの?」

「これで何回目か分かってる?」

「何が不満なの?なんでそんなに悲しませるの」


それを言われ度に心が苦しくなった
好きだけどその優しさが余計に怖かった
別に悲しませたくもなかった
泣く姿なんて見たくなかった

今思えば私はその人を沢山傷つけた

アルコールに溺れ
薬物に溺れ
男に溺れ

それでもその人は私の傍から離れなかった

結局
取り返しのつかない傷を残してその人は私の元から離れたけど
今でもその人の温もりも感触も匂いも全て呪いのように忘れられない

好きだから
その人との幸せを遮断した
どうせ不幸にお互いが堕ちていくなら
不幸は私だけでいいからという理由だった

どうかお元気で
どうかあの時に私に語ったキラキラな夢物語を叶えてください
あなたの願いは
私の願いでした


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