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#17.言語聴覚士×生涯発達支援×WSD


(1)普段おこなっている活動は?

仕事は言語聴覚士で、「生涯発達支援オフィス ことばラボ」を個人開業しています。発達にまつわる困り感や生きづらさを抱えておられる幼児から大人の方までの、言語や行動、コミュニケーション等の支援や、共創的な場づくりに携わっています。 
ワークショップの依頼は現在、特別支援学校や小学校の言語通級指導教室(ことばの教室)など、学校からのご依頼が主です。月に1、2回はどこかの学校でワークショップを開催しています。口頭(話し言葉)のやりとりだけに頼らず、可視化を最大限活用した制作ワークや身体ワークを重視しています。「非言語コミュニケーション」の重要性や豊かさをあらためて実感しています。

(2)WSD受講のきっかけは?

WSDを知ったきっかけは、Facebook上の広告でした。発達支援の専門家としてキャリアを積んでいく中で、「専門家」であることで、ともすれば「答え」や「正しさ」を押しつけがちになっていないか、「支援する―される」の枠組みがかえって人を窮屈にしてしまったり、生きづらさや困り感をむしろ助長してはいないか、といった危うさを感じるようになりました。そこで「共創的な場づくり」を希求するようになり、ワークショップの理論と実践を体系的にしっかり学びたいと思い、WSDの受講を決めました。とはいえ受講にあたっては、仕事や家庭との時間の兼ね合いが気がかりではありました。実際、妻には家事や育児に少なからぬ負担を掛けてしまったのですが、受講中ずっと支えてくれたことに深く感謝しています。

(3)オレンジコースとブルーコース、選んだのはどっち?

平日の夕方や土日祝は仕事が一番忙しくなることや、現在、我が家は3人の子育て真っ最中であることなどから、時間的な制約が大きく、通学は難しい状況でした。完全オンラインのブルーコースがあると知り、迷わずブルーコースを選びました。

リアルな対面に比べ、オンラインでは協働作業に難しさがあるのではと少し危惧していました。しかし、実際に受講してみると、様々なデジタルツールを活用することにより、協働作業の不自由さはかなり解消されることがわかりました。これは大きな収穫であり、受講で学んだデジタルツールの活用法は、今でも日々の業務にかなり役立っています。大変というほどのことではないのですが、オンラインでは相手の人となりを把握するのに、少し時間がかかる感じがしました。ただ、受講修了後にプチ同窓会などで実際に対面でお会いしてみると、イメージ通りの方だったり、あるいは少し違っていたりと、逆にそういう面白さもありました。

(4)WSD受講で最も印象に残っていることは?

WSDの受講で学んだ考え方の枠組みやキーワードの多くは、日々の生活や仕事に直接役立っています。最も印象に残っていることは、講義の中でも、あるいは受講者同士のトークでも飛び交っていた「当たり前を問い直す、あるいは当たり前が揺さぶられる」ということです。「当たり前を緩める」という言い方もできるかもしれません。「当たり前」が緩まることで、自己理解や他者理解の器が広がり、生きやすさにもつながりやすいように感じています。

(5)現在の活動に活かしているWSDでの学びは?

プログラムデザイン、ファシリテーション、リフレクションデザインの3本柱を学んだことによって、以前に比べ、ワークショップの準備が筋道立ててできるようになりました。試行錯誤がいい結果につながりやすくなったとも思います。また、リフレクションが効果的にできるようになったことで、ワークショップ後のモヤモヤも解消しやすくなりました。 こうしたことで「やりっぱなし」がなくなり、ワークショップの回数を重ねるにつれ、実践知が積み上がっていく実感を持てるようになりました。

(6)WSD受講を迷っている人へのメッセージを!

人を活き活きとさせたり、せわしない日常に貴重な気づきを与えてくれたり、あるいはホッと和ませてくれたりと、場がもたらしてくれるものは少なくないように思います。場づくりを通じた学びや出会いは、きっと生涯の宝になると思います。

(7)これからの展望は?

最近、WSDの同期の方と共に、企業研修のワークショップを請け負いました。企業研修は初めてのチャレンジなので不安もありますが、苦しみながら楽しみたいと思います。これを機に活動の幅をさらに広げていきたいと考えています。また、WSDで演習を体験させていただいた、体奏家の新井英夫先生のワークショップ講座にも参加させていただいており、生活介護事業所などで、障害のある大人の方とのワークショップにもチャレンジしております。「アート」と「ケア」の関係の理解を深め、そこからの実践もぜひ積み上げていきたいと思っています。

子育てや仕事との両立は本当に大変だったかと思いますが、今、WSDの学びをフルに活かしてくださっていることを嬉しく思います。古山さんの「当たり前を緩める」という言葉がとても印象的でした。そして、新たなチャレンジも始められているとのこと! 医療、福祉、アート、企業研修と広がっていく世界での、これからのご活躍を応援しています。ありがとうございました!

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