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10才が語る「なんで生まれてきたか」

千と千尋の神隠しの主題歌となった
「いつも何度でも」

木村弓さんは、
ライアーという楽器を奏でながら
その美しい歌をうたっていた。

映画も主題歌もとても好きだったけれど、
あのときは、
その楽器が「ライアー」という
ものだということは
まったく知らなかった。

それから、何年かして、
まだあかちゃんだった娘が
出逢ったライアーのあかちゃん
キンダーハープ

そして出逢った
おかあさんライアー
実物の響き。

鳥肌が立つような、ぞぞぞ加減で、
もう、全身のちからが抜けて、
涙腺もゆるむ、
そんな音色だった。


その楽器を、
いま10才になる娘が弾いている。

遠くに住む祖母と叔母に、
電話越しにライアーの響きを届ける。

「おやすみ」を言って、
電話を切って、
眠い目をこすりながら、
眠い声で、でも嬉しそうにつぶやいた。

「わかったよ。
 〇〇(じぶん)がなんで生まれてきたか。

 ライアー弾いたりして、
 みんなに幸せを運ぶために
 生まれてきたんだよ。
 たぶん。

 それまで気づいてなかったよ。
 気づいてよかったよー。」

お風呂の中で、何度もつぶやいていた。
「みんなを幸せにできる!」

10才。ひとつのたましい。
子どものようで、子どもではないのかも。
いまこのときの記憶が、
この先、ふとしたことに、
とてつもないちからとなる、と思う。


とても大きなことに、
気づいたのかもしれない。


42才のわたしは、
ただただちからをもらう。





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