見出し画像

虹を壊したかった


「虹を壊したかった」

画用紙に色が広がる
水彩絵具が美しく滲む
あなたの無垢な心を表すように
みずみずしい虹が架かった

それは美しすぎて
わたしの空を華やかに色づけ
そんな夢のような比喩が似合う
ある季節の終わりでした

ふと気づけば

あなたが空に架けた虹を
わたしは壊してしまいました
七色の輝きが重くのし掛かったから
わたしの心が弾けてしまいました

あなたのキレイと
わたしのキタナイが
混ざり合って
まるで花火のように

わたしの闇に上がったのです

それからあなたは
絵を描くことを辞めました
あのとき見た花火が
あまりにも色濃く
わたしたちの胸に朽ちたから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?