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ピアノレッスンへの道vol.8〜ホールで響く豊かな音の作り方⑥〜

今回は「ホールで響く豊かな音」を目指して、ロシア奏法の実際の演奏方法をご紹介していく、第6回目となります。
今回はピアノを演奏する上で大事な「レガート」について解説していこうと思います。
実は「レガート」には様々な種類があるんですよ。

それではさっそくはじめていきましょう♪

1.レガートとは

みなさん、「レガート」にどんなイメージを持っていますか。
音と音を繋げて弾く、滑らかに弾く、音を少し重ねて弾く、などが浮かんでくると思います。

しかし、レガートはそれだけで作ることができるのでしょうか。

そこで、ロシア奏法で考えられるレガートについて、少し踏み込んで説明していきます。

まず大事なことは、「基音」と「基音」を繋げてもレガートにはならない、ということです。
「基音」とは、単なる音、ド、ならドという音程自体です。その基音の周りにまとわりついているもの、「響き」が加わって「音」が完成します。

例えば「言葉」で言うと、子音(基音)+母音(響き)ということになりますね。

つまり、基音と基音を繋げても、「響き」が無いので「音」がうまく繋がらないのです。

そこで、今度はこの大事な「響き」でレガートをつくる方法をみていきましょう。

ポイントは3つあります。

①発声自体
②耳の状態
③音の繋ぎ目を大切に扱う

音の発声によって、レガートが作れるか作れないかが決まってきます。倍音(音の響き)量が多い音ほど、音と音の繋ぎ目ができるのでレガートが作りやすいです。

レガートを作る上で、やはり耳の感覚が必要になってきます。耳でちゃんと音の響きを聞くことによってレガートを作ることができます。

音の繋ぎ目とは、音の伸びた先と次の音の間の境目です。この間をゆっくり聴きながら練習することによって、音と音が滑らかに繋がるように演奏できるようになります。

このことから、響きを十分に持った音を鳴らし、出した音をよく聴きながら音と音の間を大切に繋げてみると、レガートが作れるということですね。

2.線のレガート

レガートには大きく分けると2種類あり、点のレガート線のレガートがあります。
実はロシア奏法では、点のレガートが重要になってくるのです。
なので今回はまず、もう一つの線のレガートについて簡単に説明していきます。

まず、線のレガートとは、指で繋げるレガートと言ってもいいですね。多分皆さんが多く使っていらっしゃるレガートの方法だと思います。

このレガートを使う時は、実は表情、音色が欲しい時なんです。つまり、重要な音、表現したい音を出したいときに使用すると便利です。
もっと言うと、この線のレガートは粘着質、厳格なイメージの時、緊張感を持ったイメージの時に使用します。
つまり、前の音を保持して我慢し、耐えながら次の音に入っていきます。

このレガートの時は、大事なときにとっておき、として使うのですね。

次に、重要な点のレガートについて説明します。

3.点のレガート

この点のレガートは、ロシア奏法でものすごく重要になります。

まず、点のレガートについて、詳しく説明します。
点のレガートとは、一音一音手指は鍵盤から離しますが、このときペダルを踏んで音を繋げる方法です。
ではなぜわざわざ手指を鍵盤から離すのでしょうか。
それは、一音一音を大切に響かせたいからです。
指で音を繋げてしまうと、つい繋げる方に注意が向いてしまいますよね。これを改善するために離すのだと私は理解しています。

そして、点のレガートは、「点」だったものを空中で曲線にするのです。そういったイメージですね。
点となっている音と音の間の空気を大切にするのです。

また、点のレガートは実は2種類あるんです。

その2種類の点のレガートの実際の作り方についてこれから説明していきます。

①ゆっくりなパッセージに使える点のレガート
②速いパッセージに使える点のレガート

ゆっくりなパッセージに使える点のレガートですが、そのやり方について解説します。

まず鉛筆を逆さまに持ちます。棒状のものならなんでもオッケーです。
これは、指の代わりになる役割をします。なぜ鉛筆を使うかというと、指の軸をしっかりさせた代わりのものを使いたいからです。
そしてそのまま音を一音出してみます。

次に鉛筆で音を鳴らしたときにならって一本の指で鍵盤を押してみましょう。
この時のポイントとして、指の内側の筋肉と手の平の筋肉、手首の下の筋肉で手全体を支えましょう。

これはゆっくりなパッセージ、曲のテンポにゆとりがあるときに使える方法です。

次は速いパッセージに使える点のレガートですが、スタッカートのように切れない速さの時、かつ指が繋がっていない状態の時に使えます。
パラパラパラと速いパッセージを弾いてみて、その音の余韻を大切に扱ってみましょう。弾いた音をよく聴く、ということです。

4.まとめ

今回はピアノを弾く上で重要なレガートについてお話しました。
皆さん、ロシア奏法におけるレガートのイメージを持つことができたでしょうか。
実は皆さんが今までしていたレガートは線のレガートが多く、点のレガートはロシア奏法ではかなり重要なレガート奏法で、響きのレガートともいうことがわかりましたね。

次回はピアノ特別コラム「譜読みを速くするコツ!」についてお話していこうと思います。
皆さん譜読みはできるだけ早く済ませたいですよね、、。
そんなお悩みにお答えします!

お楽しみに♪



私のアカウントではピアノの奏法、弾き方を詳しく分析しながら解説しています。

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参考動画(YouTube)
ロシアピアニズム コーガピアノ道より

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