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ピアノレッスンへの道vol.5〜ホールで響く豊かな音の作り方③〜

今回は「ホールで響く豊かな音」を目指して、ロシア奏法の実際の演奏方法をご紹介していく、第3回目となります。
今回は指の関節についてのお話です。
手を痛めてしまわない手のフォームをご紹介します。

でははじめていきましょう♪

1.第一関節

まず、指には関節がそれぞれ3つあり(親指は2つ)、指先から第一関節第二関節第三関節といいます。

それではまず第一関節からお話しましょう。

ホールで響く豊かな音を作るためのロシア奏法では、第一関節は柔らかく固めず弾きます。
この第一関節が固まってしまうと、どのような音になってしまうのでしょうか。


その前に、少しドイツ奏法についてお話しましょう。
ドイツ奏法は、日本で非常に多く取り入れられている奏法であり、指の発達を助けてくれる便利な奏法なんです。
このドイツ奏法は第一関節をしっかりさせて、グラグラしないように支えて演奏します。
しかし、この奏法は音の響きづくりに特化していないのです。
当然ながら、指をしっかり固定させて弾くと、芯のある硬い音になりますね。指をしっかりさせて弾くのですから、鍵盤は一番下までしっかり下がってしまうのです。
するとどうでしょう。芯のある音が出ると響きが作られにくく、硬い音、もっというと割れる音に繋がってくるのです。

このことから、ドイツ奏法で弾くと、音が固くなる、音がつまる、響きが出にくい、最悪の場合音が割れる、恐れがあるのです。

ただし、この考察は音の響きに特化した考えであり、ドイツ奏法でも素晴らしい音で演奏する方はたくさんいるのです。


それでは、どのようにすれば第一関節を固めずに弾くことができるのでしょうか。

ここで実験です!

①まず、鍵盤に第一関節でぶら下がってみましょう(指はなんでも大丈夫ですが、人差し指を推奨します)。
このときは第一関節に力が入っている状態です。

②次に、そのまま手首を上に引き上げてみましょう。
このとき、手首の力は抜いておきましょう。

③最後にいつもの演奏ポジションに戻します。

これで手のフォームが完成!すると同時に、どうでしょう!第一関節の力が抜けていませんか?

また、別の方法としては、指を内側に巻き込みすぎないということがポイントになります。

さらに、音を外さないように指先に意識が行くと指の関節がガチガチになってしまいます。
そこで、手の平の中の筋肉を少し緊張させてみましょう。すると、ふっと指先の力が抜けていくのがわかります。

少し長くなりましたが、このように、第一関節が固まってしまうと、音の響きが無くなり、音が固くなって最悪の場合音が割れてしまう可能性があることがわかりましたね。

次は第三関節についてお話しようと思います。

2.第三関節

第三関節はどのような状態で弾いたらよいのでしょうか。
答えを先に言ってしまいましょう。
第三関節は、実は山型、ではなく、フラットな状態で弾きます。

少し驚かれた方がいらっしゃるかと思います。

なぜなら、昔、おそらく手を卵形にして弾きなさいと先生に教わったからだと思います。

では手が山型になると問題があるのでしょうか。
実は3つほど問題が発生します。

①鍵盤の浮力が感じづらくなる
②指の内側の筋肉(虫様筋)が使えなくなってしまう
③手の甲が突っ張って固まってしまう

具体的に見ていきましょう。

①第三関節を山型にしてしまうと、指が鍵盤に対して垂直に立ちますね。こうすることによって、すべての指の関節が硬くなってしまい、鍵盤を下げる際、鍵盤の重さを感じづらくなります。

②先ほども言いましたが、第三関節を山型にすると指が垂直に立ち、そうすることによって指の筋肉で弾くのではなく、関節を使って弾くようになります。こうなるとガツンとした硬い音になってしまうのですね。

③第三関節を山型にすると、手の甲が突っ張ったような、少し引っ張られたような感覚になります。

このように、第三関節はフラットな状態にしておくと、指の筋肉を有効に使うことができ、手の突っ張りも無くなり、弾きやすい手のフォームができあがります。

3.まとめ

このように、第一関節と第三関節の状態についてお話してきましたが、みなさん、弾きやすい手のフォーム、できあがりましたか。
手を楽なフォームで弾かないと、長時間弾くことによって手を痛めてしまう可能性があります
そうならないためにも、このロシア奏法の手のフォームを参考にしていただけたらと思います。

次回は手の動かし方、小指、親指について解説していきます。


最後までご覧いただき、ありがとうございます♪




私のアカウントではピアノの奏法、弾き方を詳しく分析しながら解説しています。

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参考動画(YouTube)
ロシアピアニズム コーガピアノ道より

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