遺書をメモ機能に残した日
あれは2022年の真夏のことだった。
日付を見ると、ああ、この時か、と思い出すが、その頃の記憶はほとんど無い。
その頃は、他人に依存しすぎていた。
母と上手くいかなかったから、今度はお姉ちゃん。でも、東京にいたお姉ちゃんは私の思っていたお姉ちゃんではなかった。たぶん忙しかったのだろう。すれ違いが起きた。
私は頼る人がいなくなり、一人になってしまったと思い込んだ。
その頃は、泣き叫んだり、家から飛び出たりしていたらしい。メモ機能に書いてあった。
たぶんお薬が合ってなかったのだろう。
それでも、調子が悪くなる私に、医者は薬をどんどん増やそうとした。
遺書には、今までお世話になった方々への感謝、自分の今の思いなどが綴られていた。
人間は心の拠り所がなくなる、つまり、ひとりぼっちになるのが一番危険なんだと改めて感じた。
私は自分で勝手に一人になっていたのかもしれない。
でも、私はそんな時期を乗り越えることができた。
無事こうして今を過ごせている。
私は幸せ者だ。
今は周りにたくさんのサポーターがいる。支えられて、時には自分も支えて、お互いそうやって生きている。
最後に。
その遺書には、「仮」と書いてあった。
まだ私は生きている。
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