なにもかもがうまくいかない日

なにもかもが、うまくいかない日だった。
こういう日ってのは、だいたい月に何度かあって、それは多分、神様がみんなを順番に当てているんだと思う。
高校の数学教師が、「じゃあ問3の答えを…今日は8月7日だから、7番の菊池。」と、日付と出席番号を照らし合わせて生徒を指していったみたいに。
残念ながらその日の菊池さんはきっと英語も古典も現代文も、「7日だから7番の菊池」といって指される。
それと同じように、うまくいかないことも連続して起こる。世界はそういうふうにできている。
そんな日はもう、「当てないで」と祈ることももうやめたほうがいい。どうせ当たる。答えられなきゃ呆れられたり怒られたり、頓珍漢な回答を心無いクラスメイトが笑ったりもするだろう。
仕方ない。今日はそう言う日だから。
無駄な祈りは、心が擦り減っていくだけだ。

でもなにもかもうまくいかなくてもそれは菊池さんがダメとかではないのだ。今日が8月7日だったから。7がつく日で、菊池さんの出席番号がたまたま7番だっただけから。

てことは多分、明日は出席番号8番の北沢が「そういう日」なんだろう。
そういう日、は順番で回ってくるから。
北沢あ、答えられなくても怒られても気にしちゃだめだよ。

今日がたまたま、そういう日なだけなんだから。

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