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女は、自ら狂っていく?


魔性の女にハマっていく男を見たり聞いたりした一方、ダメな男にハマってしまう女性も何人も見てきたことを思いだした。

・・・それは昔の元同僚だったり、友人だったり、知り合いだったり。

私の周囲で、結構多かった。

その人自身はすごく仕事ができる人だったり、理性的な人のはずなのに、なぜ?突然どうしちゃったの?と、恋愛にだけはその理性が働いてないの?という風に感じた。

女性の性、元々持っている母性本能のなせる業?とでもいうのだろうか。

第三者的に見ても「その人とは無しじゃない?」「早く別れたほうがいいよ!」と言ってしまうほどの、見るからにダメな男にハマっている彼女たちには、誰の否定もアドバイスも届かない。

どんなに親身に相談に乗っても、どんなに論理的に諭しても、真剣に説得しても、ハマっている最中の彼女たちには響かないことが多い。


狂う女たち


相談に乗ってくれる?と彼女たちは私に言う。

実は…と話し始めれば、その男は彼女にお金を出させることばかり考えていたり、彼女を利用しているようにしか見えなかったり、あからさまに彼女を”都合のいい女”扱いしているようにしか思えないのだが、彼女たちはみんな一様に、相手をかばう。

「そうは言っても、彼にもいいところがあるから。」

「彼には、私がいなきゃダメなの。」

「私が頑張ればいいのよ。」

そんな彼女のことが心配になってしまって、いろいろとその彼について聞き「それってどうなの?」とついつい聞いてしまうと、

「…そんな風に彼のこと、非難しないで!」

「あなたには彼のことなんて、わからない!」

そして最終的には、彼女の中で彼とは絶対に別れない!という決意を固めるだけなのだ。


相談の目的


彼女たちの相談は相談ではなく、自分自身で反論することで「彼と一緒にいる」ことを自分で肯定していくだけなのだ。

20代の私は、正義感で彼女たちの話を真剣に聞き、心の底から心配した。

30代の私は、「どうしてそうなの?」と正しいと思う方向を示した。

40代の私は、もうそういう不毛な会話自体が時間の無駄だと避けた。

そして50代の私は、なぜか素直に聞ける。

一周回って(苦笑)、今は真剣過ぎるわけでもなく心配過ぎるわけでもなく、ある程度の俯瞰で、それほど入れこまず話を聞けるようになった。

でも不思議なことに、そうなると頑なだった彼女たちが考え始める。

ただ黙って聞きながら、責めるわけでもなく、同調するわけでもなく、聞き出そうとするわけでもない私を通して、急に自分を見つめ始めるのだ。

そして私が何も言わないうちに、「・・・彼とは別れたほうが、いいよね?」のように自分で勝手に解決していく。

私はただ、「自分でそう決めたなら、いいんじゃない?」と言うだけだ。


女は、醒めるのも狂うのも、自分から


狂気に落ちていくのも、自分の目を覚まさせるのも、女性の場合は自分次第のような気がする。

彼女を心から愛して心配する親や親友や同僚が、どんなに一丸となって涙を流して止めたとしても、狂っていたい時には届かないのだ。

20代の青かったころの私は、どんどん落ちていくのを止めたくて、本当に必死に訴えたり、諭したりしていた。彼女たちに届くわけもないのに。

そして、届かなかったフラストレーションを抱えながら、仲が本当に良かったのにその後の関係もあやふやな感じになったりもした。

30代の頃は20代から少し学んで、それほど心配を前面に出さずに、「こうしたらいいんじゃないの?」という一つの方法を提案するようにしていたが、それは相手の望む対応ではなかったらしい。

そしてやっぱり、相手との関係がその後あやふやに。

この経験から40代では話を聞くことも止めてしまった。相談したいと言われても、「うーん、私は否定的にしか言えないから」と逃げた。

・・・50代での、この変化はなぜか?

諦めたのだ。そしていろいろ諦めた中で、相手に言ってあげられる言葉が無くなったのだ。それが逆に、相手が自分を見つめなおすような感じになったのか?


いつも思うのは、みんな本当は自分の中に答えがあるのだ。

たとえ狂っている時でも、実はもう答えは自分の中にあるのだ。

ただ、それを見つめなおすきっかけがつかめないだけ。

そう、彼女たちは自ら選んで狂ったり、ふと醒めたりするのだ。

私の知っている女たちはそうだった気がする。


一方の男性は?

・・・私は男じゃないからわからないけれど、私の見た限りでは、男性は答えが無いままに狂っていく気がしたが、反論があればぜひ。(笑)



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