不妊治療│不安とは違う、やるせない気持ち。
夢を見た。
僕はこの受精卵だったんだって。
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初めての胚盤胞移植は、陰性に終わった。
特に悲しむこともなく、泣くこともなく、取り乱すこともなかった。
ただ次へとやるべきことに意識を向ける。
不安に思っても、私にはどうすることもできない。
だったらば、私ができることに意識を向けているほうが、行動を起こすほうが、よっぽどに有意義だとすら思う。
今日はGW明け、久しぶりの仕事である。
と同時に、午後はお休みを取って、2回目の移植に向けて病院に来ている。今は、採血の結果待ちだ。
仕事の合間には、子宮鏡検査の予約のために、電話をした。1時間目、2時間目と授業を終えて、人気のないところで誰にも聞かれないように、と。
幸いに午後の仕事は、私がいなくてもどうにかなる。職場に本当に感謝している。私がいなくてもどうにかなるからってそれでいいんだけれど、やっぱり、私は仕事が好きだし、通院なんて気にせずに、働いていたいと思う。
昨晩、夢を見た。
いつも、聞いて聞いてと言わんばかりに、いろんな写真を見せて話してくれる人がいる。あまりに邪気がない。思春期とは思えない、自分が否定されることなんてないと安心しきっているような、その振る舞い。愛されて育ったんだと思う。そして、これからも彼にはどうか健やかであってほしい。
そんな彼が、
僕はこの受精卵だったんだ
と、胚盤胞の写真を見せてくれた。
だから、大丈夫。
きっと妊娠するよ。
大丈夫だよ。
って、安心させてくれようとしているような、そんな気がした。
夢だけどね。
私は仕事が好きだ。
不妊治療と仕事は、二項対立であるべきではない。
どちらかのために、どちらかを諦めなければならない、そんなことであってはならない。
だけれども、どれだけ職場が応援してくれる体制にあったとしても、不妊治療をしていないときのように働くことはできない。
すべて、ではない。
それでも、諦めなければならないものがある。
やりたいこと全部、だなんて欲張りなのかもしれない。だけど、不妊治療なしに妊娠する人にはこのプロセスはないんだって思うと、男性にはこのプロセスはないんだって思うと、どうにもやるせない。
仕事も不妊治療も全部って思いが、やるせない気持ちが、きっと、その2つが絡み合った夢を見せたんだと思う。
あくまで淡々と。
不安とは違う、やるせない気持ち。
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