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消えていく老舗

革製品のブランドにも携わっている身として、先日飛び込んできたホワイトハウスコックス廃業のニュースは衝撃的でした。
倒産ではなくあくまでも廃業ということらしいのだけど、それはそれで考えさせられるものがある。
廃業の真相はわからないけど、このことをきっかけに感じること。

いつもこの場で語ってきていることだが、全てが安いモノ志向へ向かう日本に寂しさを感じる。
安いモノが決して悪ではない。
ただ安いだけのモノは良い訳はない。
価格と価値の関係、つまりリーズナブルなモノだって世の中探せばまだまだある。しかし、自らで価値を判断できないから見つけることができない。
いや、もう見つけようとすらしていないのかも・・。

安さこそがトレンドのように扱われるようになって、自分自身で選ぶ作業をやめてしまった感はある。

「これ買っておけばOK(合格)」だよといわれ、
「これ買っておけばOK(安心)」と理解する人たちがいる。
誰のため、何のためなのか?

「安いモノでいっぱい買えた方が楽しいし・・」
「どうせ今シーズンしか使わないから安いのでいい・・」
なんて言いながら次から次へと。

本当にこのまま安いモノでいくならそれはそれで良いけど、きっとこれも安モノトレンドではないかと思っている。
かれこれ30年以上は市場を見てきたが、不思議なことに時折安いモノ市場が活気付く。
まさに今がその只中かもしれない?

昔に比べればみんながみんな着飾る時代になりました。
それでも結局、心底モノが好きで、モノを愛し、モノを選ぶ人なんて今も昔も絶対数は変わっていないのかもしれない。
それどころか、人口構造を見て取れば、確実にその数が減っていくのは間違いない。

本物が残っていくにはそこに対する憧れや価値を見出す人がいなければ次の時代はこない。
この3年で全ての価値観に変化が生じているのは間違いない。
どう変わってきているのか、そんなことに注視しながら一つの展示会に臨みます。
モノ作り、作り手、温もり、なんてものはもう必要ない?
そんな人こそ最後にもう一度触れていただきたい。


今回は「jacou」のディレクターとして、職人と一緒にプロダクトのご案内をさせて頂きます。
フィレンツェで修業を重ねた職人の細やかな仕上げ、美しい手縫いのステッチなど自信をもってご紹介させていただきます。
一般の方は週末のTETETE商店街に、バイヤー等関係者さんは木金のTETETE商談会に是非お越しください。

○ててて商店街10/29-30(土、日)
一般の方向けのマーケットイベント
*『作り手』から話を聞きながらお買い物をお楽しみください。

○ててて商談会10/27-28(木、金)
バイヤー様向けの展示会
*一般の方は入場できません

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