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草野マサムネの頭を覗いて衝撃を受けた

草野マサムネが作る曲には、多用される言葉やお気に入りと思われるフレーズがあり、そこから彼が描く世界観を垣間見ることができる。

今回は"傷"に着目したい。

「惑星のかけら」より
"骨の髄まで愛してよ
僕に傷ついてよ"

「猫になりたい」より
"消えないように傷つけてあげるよ"

「ホタル」より
"甘い言葉 耳に溶かして
僕のすべてを汚して欲しい"

自分に傷ついてほしい、、??!
うーん、自分に傷ついてほしくて、相手に汚されたいのか。
この考えに触れた時、電気が走るような衝撃があった。

私はいつも、傷つけたかもって思ったらすごいヘコむし、そうしないように過ごしているから。
何だこの価値観は、って衝撃を受けた。

ただ、傷つけるって、本気で罵倒するとか嫌がらせするとかそんな大層な話じゃなく、
例えば好きな人をからかうって相手の心を揺さぶるとか、相手の世界に自分の存在があった跡を残すとかそういうレベルと似たようなことだと思う。

でも、今までそんなことを考えたことがなかった。

傷つかずに、傷つけずに、生きていきたいと思ったから。
それが一番心穏やかで、幸せな生き方だと思ったから。

でも、このことについてよくよく考えたら、
人に傷つけられたり、傷つけてしまうことも、コミュニケーションの一つだ。
意味のわからない、顔も知らない人からの誹謗中傷は除いて、楽しさや喜びを分かち合うことよりもっとエネルギーがあるぶつかり合いだ。
変な話、嬉しいことや、喜びよりももっと心が動く、というか揺さぶられるし、確かに色々な意味で植え付けられる。まあ、度が過ぎるとトラウマになったりもするが。
「猫になりたい」の歌詞にあるように、確かに猫にひっかかれたら傷は残る。
猫を触って癒されるよりも、確かに猫に触れた証拠が残る。心の傷ともとれるが、この感覚は本質を突いている。

いい温度の温泉に気持ちよくつかっているときより、
怪我して、血が出ているのを見る時の方が、ああ、生きてるなと思うのと同じ感覚なのかもしれない。

確かに、相手が本当に大切な人であれば
私を傷つけないように変な距離感を持たれたり、
オブラートに包んで誤魔化されるよりも、本心を伝えてほしいと思う。
本当に愛情を持って接していたら、傷つきたくないとか、その次元では悩まないのかもしれない。
この感覚は、私にはまだ分からないが。
まだ、というべきなのか、別の価値観というべきなのか。

傷つきたくないから本音で向き合わないというのは、確かにそれは本当のコミュニケーションじゃないのかも。

相手に傷つきたいし、自分に傷ついてほしいってどういう感覚?!と初めは衝撃だったが、

色々考える内に妙に納得してしまった。

もちろんこの解釈も、"私にとっては"の物語だが、また一つ、新しい価値観が生まれた。

私が生まれた時にはもう、
スピッツといえば、と言われる曲は世に放たれていて、
小さい頃からスピッツの曲はたくさん聴いていたのに、真の魅力には気づいていなかった。

年齢を重ねて、しんどくて、辛くて、楽しくて、幸せで、色々な方向に心が動いて、たくさん経験することによって、スピッツの音楽は深く胸に刺さる。

この、深く胸に刺さる感覚もまた傷なのだろうか。

ということは、傷とは、マイナスな意味だけじゃないのかもしれない。

考えるほどキリがなくなるので今回はこのあたりにしておく。

それにしても草野マサムネは人生を何周しているのだろうか。

彼が、私と同じ歳に作った曲を聴くと、全てを達観している先人としか思えない。

スピッツの音楽は、一つのバイブルになっている。

※ちなみに写真は、先日福岡へ旅に行った時のもの。
ロビンソンのモデルとなったと一部では言われている川で撮った。
思った以上に大きな川で、お年寄りがのんびりしていたり、ランニングしていたり、穏やかでとても気持ちがいい場所だった。

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