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喪主がコロナの感染者や濃厚接触者だったら葬儀をどうするべきか?

本記事の要旨
亡くなった父の葬儀で喪主となる一人っ子の筆者は、葬儀の直前に家族がコロナに感染したために濃厚接触者になってしまった。どうしたものか。「コロナ、喪主、感染、濃厚接触者」などとネットで検索してもコロナで死亡した人の葬儀の話ばかり出てきて、タイトルに掲げたように「喪主がコロナ 感染者/濃厚接触者だったら葬儀はどうするべきか?」という情報が得られなかった。結論を述べると、葬儀の延期は関係者のスケジュールの再調整が必要となるため、喪主の代理を立てて予定通りの日程で葬儀を実施するのが一般的なようだ。本記事が同じような立場に置かれた方の参考になれば幸いである。

 
この原稿を書いている2022年12月30日現在、新型コロナウイルスは依然として猛威を振るっている。 一方で、コロナとは関係なく、あるいはコロナの感染によって、日々人は亡くなっていく。日本列島で、 1日あたり約4000人の人が亡くなっている計算になる(厚生労働省『令和3年人口動態』によれば、2021年の死亡者数は143万9,856人であり、1日当たり3,944人の人がなくなっている計算になる)。

今月亡くなった私の父もその中の一人である。母がガンで 亡くなってから 10年くらい一人暮らし、誤嚥性肺炎であっけなく他界した。昨日はその葬儀だった。私は一人っ子なので当然喪主となるが、実は昨日の葬儀には行っていない。家族がコロナに感染していたからだ。
 
月曜日に大学生の息子が熱っぽいと言って市販のキットで検査するところコロナの陽性であった。木曜日は父の葬儀である。なんという悪いタイミング!

葬儀会社に電話してみると、対応としては、葬儀を延期するか、誰か代理で喪主を勤めてもらうかのどちらかだという。自分は電話するまで延期する気でいたが、喪主が体調不良なので葬儀に出席できない場合、 ほとんどのケースで代理を立てて予定通り行うそうだ。電話で話した葬儀会社の人は、延期になったケースは自分が知る限り、聞いたことがないという。確かにそうかもしれない。 改めて葬儀の日程を組み直すと、参列する出席者、住職、葬祭場、火葬場と各関係者のスケジュール調整しなければならなくなる。もちろん、葬儀会社の人はスケジュール通りにことを進めたいというインセンティブがある点は割り引いて考える必要があるだろうけど。

延期は現実的ではない。といって、 参列する出席者はほとんど80代、住職は70代という葬儀に濃厚接触者である自分が出席して、万一、感染者が出た場合、大事になってしまう。そして、高齢者の感染となれば生命にかかわる。 葬儀会場に来る途中の電車など、ほかで伝染したとしても、もしコロナで死亡した参列者がいて葬儀で感染したから死亡したのでないかと言われれば反論のしようがない。
 
結局、亡くなった父の弟と電話で相談し、喪主の代理をつとめてもらうという結論になった。そして、住職や参列する親戚の方々に電話。

この時点で疲労困憊していたこともあり、自分ではすでに感染していたと感じていた。ところが、濃厚接触2日目の翌日、市販のキットを買って、テストしてみると、あれ!?自分は陰性だ。




厚労省のガイドラインでは、濃厚接触後の2日目と3日目にテストして陰性ならば、自宅待機解除となっているはずだ。葬儀当日にテストして陰性ならば葬儀に行けるのかもしれない。。。

今からやっぱり葬儀に行って喪主をやりますと言うべきか。しかし、関係者にはコロナ濃厚接触で自分は行けないと言ってしまっている。 濃厚接触者であると言ってしまってから、葬儀に行けば、大丈夫なのかということになってしまう。 80代の方々は何と感じるか。。。

検査キットは、100%確実ではない。偽陽性もあれば偽陰性もある。本当は感染なのにまだ初期だから陰性という結果かもしれない。。。

結局、苦渋の決断だが、80代の参列者にコロナを感染させるかもしれないリスクはとれないと判断した。 

自分が葬儀に出席して、親戚の中にコロナ感染で亡くなる人が出たりしたら、自分は一生立ち直れない。検査キットで陰性でも絶対ではない。濃厚接触者である自分が喪主として葬儀の中で色々な人と接するのはリスクが大きすぎる。

12月30日付の毎日新聞のネット記事によれば、 コロナ死者数は直近3カ月前年の16倍と急増し、死亡者は70歳以上が9割だそうだ。
 
葬儀会社の人と電話で話した印象では、葬儀で喪主が体調不良となって代理を立てることはそう珍しいことでもないようだ。それはそうだろう。筆者の場合もそうだけど、入院してご臨終になるまでに、疲労困憊になっているだろうから。

自分の判断が正しいという自信はないけれど、筆者と同じような立場に置かれた方に何か参考になれば幸いです。

ところで、喪主を他の人にかわってもらうことが気が重いという人は、故人が生きていたら何というか考えてみてください。「無理してでも喪主をやってくれ」とか「ほかの人に迷惑をかけてもいいから喪主をやってくれ」とは言わないと思います。

どのような事情であれ、喪主をつとめられずに他に人にかわってもらうことになったとしても、あまり罪悪感をもつ必要はないと思われます。恐らく故人はそれを望んでいないでしょうし、代理の人が喪主をつとめることは私たちが思うほど珍しいことではないようですから。


最後までお読みいただきまして有り難うございました。


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