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這い上がる


プロの世界に入って今年で3年目。1年目で昇格争いを経験して2年目でシーズン途中での監督交代と大怪我を経験。そして3年目の現在はなかなか試合に出ることができていない。
まず、この3年間ですばらしい経験をさせてもらっているということ。そんなすばらしい経験ができる背景にはスポンサー様だったり、サポーターの方々や地域の方の支えがあってのことです。いつもありがとうございます。


先日、3年目にして初めてサイン会をしました。ファンの皆さんの一言一言がとても嬉しく、同時に悔しさも感じました。
こんなにも期待されているとは思いもよらず驚きました。

試合に出る=選手の価値

大学時代の恩師はガイナーレ鳥取に入る決断をした自分に対しこう言いました。

試合に出ること=選手の価値。出てなんぼの世界。出ないと何も始まらんぞ
と。

大学の時は「試合に出ることなんてどうでもいいことだ」と豪語していたのにも関わらず、一気に自分にプレッシャーを与えてきたことを思い出します。
上記の方程式からいくと今の自分は価値がないに等しいことになります。


そういう時に大事にしている考えが2つあります。

1つ目は、自分の中にブレない基準を持つこと。

試合に出れない時は、考えることがとにかくたくさん増えて、足りないことが増えてきがちです。選手なら当然の現象です。

自分の場合は特に顕著で、「試合に出ていないならもっとやるしかないだろ」と意気込み、あれもこれもと取り入れて、結局オーバーワークで疲労を溜めて怪我とかしちゃうタイプです。
なのでまず、そうならないように自分で基準を作ることです。
チームの練習を100パーセントでやること。そのための準備も100パーセントで行う。
その上で足りないならプラスでやるか別で負荷をかける等の調整をしています。
コンスタントに試合に出れている時とそうでない時はコンディションを一定に保つのが難しいのでうまくトレーナーさんに相談したりしています。
綴るとごく当たり前のことだと思ったけど、怪我をしないけど追い込むギリギリのラインを見極める、これはずっとやり続けないとわからない感覚です。

試合に出ているからといって基準を緩くしたり、出ていないから厳しくしたりするのではなく常に一定にブレることなく、基準を設けることでコンディションもメンタルも安定することにつながります。

2つ目は、他人に期待しないこと

たまに本を読みますが、その本の中で他人に期待をしないことが幸福度を落とさない要因の一つ的なことを書いてました。

自分はこれくらいやったから、自分が思っているような評価をもらえるであろう。とか、俺はこんなに結果を残した、だから次の主役は俺だろ。と思うことはサッカーだけに限らずそれとなくあると思います。
それで思い通りになればいいが現実、そうならないケースの方が多いです。次に向けて期待していればしている程自分に降りかかるダメージも大きい。
そのダメージを労っている間に他の人はもう次へ向かっている。非常にもったいない。

それらは全て他者評価の依存からくるストレスであり、「他人に期待しない」ようにする、そして評価の主体を他人から自分に変えることで解決どころか問題にすら上がりません。

大切なことは、どんな時もどんな環境でも淡々と自分の課題に向き合って日々、前向きにやり続けること。そこに他人の評価はいらないと思っています。(評価されないと、この世界では残っていけないというのはまた別で)

それでも耐えられそうにない悔しさや苦しみは全て将来活躍するための伏線と思えば頑張れます。
高校時代も大学時代もそういったことは何度も経験してきて、その度に逃げずに正面からぶつかってよかったと感じます。(よくないぶつかり方もしたかも)

今に見てろよという気持ちや見返してやる。そういう類の反骨心ってのは必ずバネになる。だから全ての出来事には意味があってポジティブなことしかないと思えます。


綴りながら去年電話越しで可児さんが言っていたことを思い出します。
「(電話の当時)試合に出れないけど、俺はやり続けるしかないしね。そもそもどれだけいいプレー見せてても決めるのは監督だし、そこに不満持っててもしゃーないよね」と朗らかに言っていた。そこには何か余裕すらあったように感じた。

日々感じる考え方や捉え方の中に可児さんの考えが刷り込まれていました。


最後に

今の自分の立場を肯定するための文章を書いているわけではなく、こういう経験を踏まえてどんなことを思っているか少しでも発信できたら、自分にもさらに責任が生まれ覚悟に変わると思って、いいように使ってしまいました。
結局変えられるのは「今の行動」と「自分」だけです。他人は変えられないからそこに思い縋るよりも自分のコントロール下にあるもので埋めていくこと。それを続けることができれば、今はまだかもしれないけどいつかどこかのタイミングで必ず活きます。

どのせいにも誰のせいにもしたくないので、また明日から頑張っていきます。
今シーズンはあと2ヶ月で終わってしまいますが最後まで自分の成長に目を向けてやっていこうと思います。

松本戦、応援ありがとうございました。

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