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おばちゃん、インタビューを受ける~アラカンの再就職その30

突然、他部署の方よりメールが来た。おばちゃんの上司がccに入ってのメール。差出人はおばちゃんを採用してくれた社員さんだった。
「ミドルシニア層の就職活動のこれからについてご意見いただきたい」といったところだった。

そのころおばちゃんはビリ、ブービー等下から数えた方が早い成績を邁進していた。精神的なものもある。頼っていた人が突然辞めたからだ。しかも全体mtg中の出来事。これが尾をひいていた。

電話しなくていい時間がおおっぴらにもらえる、ラッキー!とおばちゃんはふたつ返事でOKした。

当日は、4対1の、面談みたいなもので、大学時代からさかのぼって当時の新卒就職活動、出産後の退職に追い込まれたこと、業務委託やったり、派遣やったりして、やっとベンチャーの正社員になりIPOまでがんばるぞ!となっていたところに新型コロナがやってきて業績悪化で解雇、そしてここ。ここにたどりつくまでに1時間近くかかってしまった。そこから今後どうしたらよいと思うか、どうなっていったら嬉しいか等々、ミーティング状態で1時間、計2時間近く話し込んでいた。

今の部署で鳴かず飛ばずのおばちゃんは、心のどこかで、この部署の事務アシになれないものか、と思ったりもしながら、、、この人たちホントいい人達、いいチームだな、、、と思ってうらやましくなったのだ。

インタビューが終わって戻ったら「長かったですね」と直属上司。2時間分の架電数減は大きいが、認めたのはそちらですからねーとひらきなおっているおばちゃん。「そうですね」とニッコリ返してヘッドセットをつけた。

大きなため息が出た。おばちゃん、ほんとにこれがしたかったのか?違う。この仕事は初めてでちょっと興味があったから応募した。電話の仕事は受かりやすいこともある。働かないと生活できない。事実としては、安い時給のパートをするくらいなら、失業保険だけでもギリ生活はできる金額ではある。余裕はなくなるし、お金がないことへの不安感は精神を病むので、できるだけ避けたいということもあり、ここにきたんだ。そして、初めての電話仕事を学んでおけば、きっともっと年齢がいっても、電話仕事は可能性がある、と思って選んだ仕事。加えて、直接雇用のフルタイムのアルバイト職なので手取りもあるし、派遣より確実に1年は在籍できるとふんだのだ。再就職手当をもらうために、1日でも早く在籍して、1日でも多く再就職手当をもらう。
これが、解雇後、正社員に応募してことごとく不採用となった、アラカンおばちゃんの選択だったのだ。

全ては生活のため。そこにちょっとしたプラスのポジティブをつけただけ。

でも、仲間はみんな素敵な人達で、やめるタイミングをのがしつつ今もいる。上司がどんなに嫌な人でも、仲間がいるからやっていける。それくらい気持ちのいい仲間に囲まれて仕事ができている。仕事そのものは個人プレー。誰が助けてくれるわけではないけれど、嫌な人がいない、という仕事場はありがたいのだ。

そんなとき、突然、派遣会社から電話がきた。顔合わせをお願いできないか、といったところ。よっぽど人が決まってないのかな?と思って、1日考えさせてほしい、と電話をきった。時給は今よりさがる、でも事業は伸びてるし、今までの仕事に戻ることができる。即日希望、年内、、、ちょっと無理だ。ごめんなさいをした。更新の署名出したばかりだ。年末調整も出しちゃったし(笑)
派遣は早い、早い。派遣するなら身動きとれるようにしておかないといけないなと思ったおばちゃんだった。

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