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つばさの党代表ら逮捕!選挙妨害は許されない!

今日は例のつばさの党の選挙妨害について解説したいと思います。

東京15区の衆議院補欠選挙があった際に、私も当日初日につばさの党の方が来られてワンワンやられて、これは明らかに選挙の自由妨害罪、公職選挙法225条違反だということで訴えてはいたんですけれども、先日警察が家宅捜索に入ったということで、厳しくこれ対処してもらいたいなと思います。

その一方で「いやいやあれは表現の自由だ」と「そんなぐらいのことで被害届を出したりおかしいというのがおかしい」ということを言われることもあるんです。
その一つの根拠が4年前に安倍総理が演説をしていた際に、それを警察がヤジを飛ばした2人の聴衆を排除して裁判沙汰になったんです。
結論から言うと一部警察が負けたんです。
(警察側は判決を不服として最高裁に上告)
そのことをもって「そんなワンワンやったって構わねえじゃないか」と「判決もあるじゃないか」安倍さんの演説に対してヤジを飛ばそうとして、それを排除した警察が負けたんだからヤジが認められるから、つばさの党の妨害的な大音量の発言も認めるべきだというようなことを言う人がいるんですけど、結論から言います。

この2つの案件は全く別物です。
それを今から説明します。

まず札幌地裁については、男女2人に対して警察の行動が行き過ぎていると。
つまり、排除することが法律に基づく要件を満たしていないと、そういう判決が出て警察側が敗訴したんですが、札幌高裁がその後出まして、実は女性については警察が依然として負けたんですが、男性については警察が勝ったんです。
これはあまり知られてないんですけども、そこの差も含めて解説したいと思うんです。

安倍総理のヤジ事件の案件は何が問題だったかというと、選挙活動の自由とか聞く権利が害されたということで、こういった権利が争われたわけではないんです。
何が裁判で争われたかというと、警職法(警察官職務執行法)というのがありまして、4,5条があって警察は例えば避難等の措置をするためとか、あるいは犯罪が行われそうになっている具体的な危険性があるときには必要な措置を取ることができるということが4、5条に規定されているんですけれども、それに基づいて排除したのか。
つまり具体的な危険性があって、それで警職法に基づいた排除になっているのか。
そもそも要件を満たさずに過度な排除行動を取ったのかということが問われているわけです。
つまり警察官職務執行法に基づいた適法な職務行為が行われたかどうかが、実は裁判で争われた一番のテーマなわけです。

結論から言うとさっき申し上げたとおり、女性に対しては警察は負けました。
なぜかというとヤジを飛ばして、ヤジを言ってから10秒ぐらいですぐ排除されてしまっているということと、その後も長時間にわたって付きまとわれたと。
また戻ってこないかとか、そういう付きまとわれが行われたので、これはさすがに具体的な危険がないのにやりすぎなんじゃないのかということで、警職法に基づく適正・適法な職務行為ではないと見なされたんです。

ただ一方で、男性についてはヤジを飛ばしていて、隣にいた聴衆と諍いになったほか、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどをしていたと。
警察官が直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには、客観的合理性が認められる。
つまり警職法に基づく適法な職務行為だと。
物を投げたり車両に危害を加えるとなったら、それを止めることは当然警職法に基づく適法な行為だということで、男性側に対する警察の行為は実は認められてるんです。

合わせて強調しておきたいのは、この中の判示、先ほど言ったように選挙の活動の自由とか聞く権利が害されたということは実は争いになってないんですが、その判決の中でこういうふうに書かれてるんです。

ヤジの自由というのは絶対ではなく、当然演説自体を不可能にするようなものまで許容されるわけではない。

これは同じ判決の中でこう判示されてるんですよ。
加えてこう書いてます。
「原告らは拡声器等を用いたわけでもなく」ということを言ってるわけです。
つまり地声で言ってるわけで、そんなことを排除しても、それはやりすぎだっていうことなんですけど、裏から言うと拡声器を用いて、そして演説自体を不可能にするようなものをやった場合には、それはダメなんです。
だから私はこの判決があるから、つばさの党の妨害も許されるんじゃなくて、この判決を持ってしても、あるいはこの判決を見ても、むしろつばさの党の妨害はダメだということが私は判示されてるんだと思います。

今回のような事案が二度と起きないように、必要な法改正も取り組んでいきたいと思っていますし、実際に法案も作ってますので、各党・各会派と与野党を超えてこれは協力を得て成立させていきたいと思っていますので、何とも皆さんの後押し協力もお願いしたいと思います。

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