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冠詞を教えに、エジさんが来る

バス停に小学3年生の男の子と女の子がいます。ケンちゃんとメイちゃんは、これからふたりはバスに乗って、英語の塾に行くようです。

「ねえ、ケンちゃん、今この場のことを英語で言ってみて」
「難しいなあ」
「間違っていてもいい、って先生が言ってたじゃん」
「えーと」

Bus will be here in a few minutes.

「すごいね、ちゃんと言えた」

メイちゃんがケンちゃんを褒めていると、隣に並んでいたエジさんがふたりに話しかけます。

「偉いね。でもね、Busには冠詞がいるんだ。わかるかな冠詞って」
「はい、aとかanとか、theですよね」
「そうだ。数えられる名詞には冠をかぶるように、必ずどちらかがつくから忘れないようにね」
「はい、わかりました」

エジさんというのはこのあたりに住んでいるアメリカ人のおじさん。英語とカタコトの日本語を話すエジソンみたいな顔のおじさんなので、みんなは「エジさん」と呼んでいます。

すると、バス停にもうひとりの男の子が遅れてやってきました。メイちゃんが言ったことを聞いて、エジさんは驚きました。

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エジさんという人が、役に立たない英語を教えてくれます。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。