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モノの価値:PDLB

今から20年ほど前、時計を集めていたことがあります。コレクター気質ではないのでコレクションとは言えないのですが、当時は数十本が家のシェルフに並んでいました。最初は偶然見つけたRolexのオイスターパペチュアル(一番オーソドックスでシンプルなもの)でしたが、横浜のアンティークショップで、ガラクタのようなものに囲まれてガラスケースの中にありました。

Rolexという名前は聞いたことがあるけれど、まったく知識がなかったのでこれがそれなのだろうか、と興味を持ちました。店主に聞いてみると、「うちは時計の専門店ではないからあまり価値がわからない」と正直に答えてくれました。高級時計ブランドであることくらいしか知らず、そこについていた20万円という値札が、はたして高いのか安いのかもわかりません。

店を出て、喫茶店でコーヒーを飲んでいるときもずっとあの時計のことを考えていました。自分の左手にあるのはどこかの国の免税店で何も考えずに買って使っていたG-SHOCK。もしかしたらこれからの年齢ではちゃんとした時計のひとつくらいは持っていないと困ることがあるかもしれない、と銀行に寄って現金をおろし、またあの店に戻ったのです。

シルバーに黒文字盤のジュビリーブレスのRolexがちゃんとした私の初めての時計になりました。それからややブームになりかけていたRolexに関する本がたくさん書店にあったので端から読んでいくと数多くの機種があることを知り、次から次へと買い集めていったのです。毎朝20本以上の時計を全部手で巻くのが日課でした。

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もちろん当時でも安くはなかったのですが、現在では想像できないほどの価格でした。その頃の値段の5倍くらいになったタイプさえあります。アンティークの次、最初に買ったのがサブマリーナでした。これは現行タイプ、旧モデル、デイトありなし、と揃えていき、それが終わるとシードゥエラー、GMTマスター、マスター2と同じ集め方をしていきます。Rolexのスポーツタイプは昔はプラスティックの風防で、それがのちにガラスになります。どちらにも別の魅力があるので両方のタイプを買うことになります。

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さて、ここで本題に入りますが、何も自分のコレクション自慢をしたいわけではありません。「適正価格」についてです。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。