見出し画像

バズって終わり:PDLB

先日、ある人からネットでの宣伝について助言を求められました。私はネットでのマーケティングやセールスについての専門家ではないのですが、テレビやグラフィックの分野で「広告」を作ってきた経験はあります。そして残念なことに、それらの経験の大部分が今の時代にはまるで役に立たないことも知っています。

ネットでの宣伝はネット特有の作法がありますから、それを謙虚に学ばなくてはいけません。旧来型のマスメディアの経験で強引にねじ伏せようとして失敗している例も数多くあります。ネットの最大の特徴は「情報の伝播の仕方」にあります。テレビを見る人数、新聞を読む人数、といった静的で単純な計算方法では測れません。「バズる」という言葉があります。バズというのは「噂になる」「人々が口にする」という意味ですが、それからもわかるように、内容はさておき、どれだけ多くの人がコンテンツを認識したかが最重要基準になっていることは皆さんもご存じでしょう。

そこまではある種の「伝達工学」でなんとかなるものです。

画像1

しかしそれが商品を売るという次の段階に結びついているかというとそうでもありません。バズったが売れなかった、というのは特に珍しいことでもなく、それがネットでコミュニケーションを取ろうとする仕事の落とし穴でもあります。

旧来メディア型の広告で考えると、いくつかのコミュニケーションの方法がありました。たとえば企業広告。企業に対する信頼感や期待感などを醸成するために行います。「私たちの会社は社会に貢献しています」というCMや新聞広告はそれが目的で、そこで得られた信頼感によって新卒の就職先としての価値も上がり、会社の業績や株価が上向くだろうという目論見からできています。

バズって終わり、というだけなら「企業広告」として成り立ちます。昔だと(企業や商品の)ネーミング訴求を担っていた部分です。取りあえず名前さえ憶えてもらえばいいという目的ですから、多くの人がそれを目にするだけで目的は果たせることになるのです。「あの企業はなんだかよくわからないが、ネットで広告をたくさん出しているから立派な会社なんだろう」程度の印象を着地点にすればいいのならそれでよしです。しかし表面だけがバズっても商品の売れ行きには届きません。ではどうすればいいか。

ここから先は

750字

PDLB

¥5,400 / 月

PDLBについて。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。