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速度と深さ:PDLB

人が一生のうちに知ることができることは、あまり多くありません。私が広告業界で育ったことでよかったと思うのは、多くの人がずっと同じ業種にとどまるのと比較すると、たくさんの世界を覗けたことです。情報は世界のパーツとして全体を動かす部分を構成していますが、自分に影響するほんの小さなエリアのことしかわかりません。遠くに行くほどエフェクトは見えにくくなるので、自分が知りうる領域の少ない情報から結論を導き出してしまわないように気をつける必要があります。

情報には、範囲と同時に、速度と深さがあります。

たとえば私が自動車メーカーの広告を依頼されたとします。企業の宣伝部から新車の情報を受け取り、表現のアイデアを考えて撮影します。この期間の「新車に関する極秘情報」はその自動車メーカーの社員であろうとも、ごく一部しか知りません。つまり外部にいる私の方が、その会社に勤務している「部外者」よりも速くて深い情報を持っていることになるわけです。

私はマーケティングは専門外なのですが、宣伝する商品が世の中にどう受け取られるか、どうやって「欲しい」と思ってもらえるか、は考えます。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。