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シャンプーと鰻:PDLB

どんな分野でも、プロフェッショナルの話を聞くのが好きです。消費者である自分が何も考えずに受け取っている物やサービスに、どれだけ複雑なプロの技術が隠されているかの発見があるからです。

プロダクトにそれぞれの専門技術が使われていることは想像しやすいのですが、私がつねに注目しているのは「サービス」というソフトな部分について、です。世の中には上質なものとそうでないものがありますが、両者を分けるものとは何でしょう。いいものを要求する人がいて、いいものを提供する人がいる、この関係が質を高めていきます。

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その順番にも秘密がありそうです。いいものを提供しているという評判を聞いて、それを求める人が訪れる。これは構造としてわかりやすく、美味しいお店があれば客が増えていく、というシンプルな帰結です。また、「客が店を育てる」という話を聞くこともあります。消費者の要求が提供する側のレベルを押し上げていく例です。銀座の『久兵衛』で、「イクラの寿司が食べたいが、それは握れないだろう」という客の要望に応えて生み出したのが海苔で巻く「軍艦巻き」だったと言われています。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。