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ノルウェー軍の寝袋:写真の部屋

写真を撮る行為にはいくつもの段階があります。まずカメラかスマホでその辺にあるモノを撮ります。カプチーノとか鉢植えとか猫とか犬とか。これが第一段階。いくら撮っても文句を言われない存在に目が向きます。

「写真を撮ること」に興味が出てくると、いいカメラやレンズを手に入れようとします。しかし何が何だかわからないのでカメラ機材のことをネットで検索したり、本を買って勉強します。『写真の部屋』を定期購読してくれている人たちはすでにご存じだと思いますが、ここに第一の分岐点があります。

機材のことを勉強するうちに、そこに偏った興味を持ってしまうのです。一度もキャンプに行ったことがないのに「-30℃レベルの寒冷地対応ノルウェー軍仕様の寝袋」を買おうとするようなものです。もちろん-30℃の寒冷地で野営するときが来たら必要になりますから知っておくことは必要なのですが、最初に持った衝動である「写真を撮ること」が、この分岐点でズレはじめてしまうのです。

さて。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。