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あなたの感想:PDLB

いつから「私の感想」を言うのがいけないことになったのでしょう。

日本人は議論が苦手だというのは昔から言われていたことですが、それはディベートという西洋の概念のように、立場を入れ替えても冷静な議論ができる技術を必要としていなかったことも理由のひとつです。ハイコンテクストな言語を共有する共同体にいれば議論の不在に不便を感じることはありませんが、そこに借り物の思考実験のような「議論のための議論」を持ち出すと、幼稚で足腰の弱い議論になるのは明らかです。

先日、ある書籍のレビューを読んでいると「作者の個人的な感想だけで、まったく参考にならなかった」と書かれていました。作家に個人の感想を書くな、というのははたして正しい要求なのでしょうか。誰かが何かを言うと「そこにエビデンスはあるのか」と、国民全員が陪審員にでもなったかのようなリアクションが多く見られるようになったのはいつからでしょう。私はそこに『世界の水増し』があると感じています。

世界の水増しとは何か。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。