見出し画像

情報のエンゲル係数:PDLB

インターネットが普及し始めた頃に感じていたことを、ふと思い出しました。それまでテレビ、新聞、週刊誌といったメディアから得ていた情報が遅いと思った感覚です。最初、それが速度の問題であるとは気づきませんでした。週刊誌を眺めていて「このニュースはしばらく前に聞いたことがあるけど」と思うと、ことごとくネットで読んだ記事でした。ネットの速報性には信憑性のない情報を鵜呑みにする危険も伴います。

「朝刊の内容について議論するのは、夕刊が届いてから」

という言葉がありますが、昔は新聞の速度においてさえ信頼性がなかったという証拠です。私たちが体感する速度は周囲の環境に影響されます。ニュースはあっという間に世の中に広まってすぐに消えていくので、数日前の出来事に言及したときでも「いつの話をしているんだ」と言われます。しかしこれは内容について検証がなされていないことの裏返しで、正しかろうが間違っていようが、早く知り早く忘れる「消費されるブーム」になっていることのあらわれです。

自分が立っている場所が揺るがないようにするために、受信機を置いておくべき場所にアンカーをおろすことが必要です。時代のランダムな波に足元が流されていると批評や分析のコンパスが働かなくなります。三半規管を揺らしてはいけないのです。

ここから先は

1,093字 / 1画像

PDLB

¥5,400 / 月

PDLBについて。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。