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ベル・コモンズとタイムマシーン:PDLB

モノを収穫する、モノを作る、モノを売る。

世の中が複雑化していっても、第一次から第三次産業まではそれほど変化がない。第三次が枝分かれして多層化していき、「モノを売るためのサービスを提供する」あたりまでは何とか理解ができると思う。

問題は、第三次産業だけが突出してしまっていることだろう。GAFAが存在する場所も第三次産業の最終地点に近いだろうし、産業革命で言い換えれば「第4次産業革命」の生み出しつつある事態ということになる。

第一次から第三次産業の前半部までのスケールはそれほど大きくない。米を作り、近所の人にそれを売る。日本酒に加工する、日本酒を全国の人に飲んで欲しいというマーケティングをする。これらはそれ以上スケールが大きくなりようがない。

米を作るのではなく、酒に加工するのではなく、酒を売るのでもなく、「世界中の酒がどこで買えるかの情報」が売れるようになったことで、世界は劇的に変化した。ここには(情報を遮断する国などを除いて)物理的な制約がないからマーケットは一瞬で地球と同じサイズになった。

さらに高度なネット技術や、A.I.などのテクノロジーが不可欠になってくるのが第4次産業革命、インダストリー4.0と呼ばれるものだ。漠然とした不安を伴う、「人がいらなくなる」というのがA.I.の枕詞になっているが、実際には職種の役割が変化するだけで、ごく単純な作業がロボットをコントロールするA.I.のもとで不要になるだけだろう。

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「クリエイティブな職業は安泰だ」とも聞くが、それは本当だろうか。ビッグデータを使ったマーケティングによって抽出されたニーズをそのままカタチにするだけなら、人間よりもむしろA.I.の方が向いている。

絶対に人間にしかできないことは何か。昔のSF映画などでは、効率よく作業を進めるためにロボットが使われる様子が描かれるのだが、暴走したロボットは人間の手で打ち壊される。そして、機械には限界があるのだという「人間礼賛」の結末が用意されていた。

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